浅草・三社祭の神輿担ぎ出し、コロナ禍越え3年ぶり復活へ 21、22日 一部に感染拡大懸念の声も
2022年5月16日 06時00分
21、22日に開かれる浅草神社(東京都台東区)の三社 祭で、新型コロナウイルス禍で中止されていた本社神輿 の担ぎ出しや子ども神輿巡行が3年ぶりに復活する。歓迎の声が上がる一方、感染拡大を懸念する人もいる。伝統をどう継承していくのか。葛藤と模索の中、本番を迎える。(太田理英子、西川正志)
◆距離縮小、町神輿練り歩きは今年も中止
「街全体でつくる三社祭には、神輿を担ぐことが必要」。主催団体の浅草神社奉賛会の副会長・冨士滋美さん(73)はそう強調する。
コロナ禍で迎えた2020、21年の三社祭では神輿の担ぎ手を出さず、トラックに載せて巡行するなど異例の方法をとった。
今年は境内で本社神輿3基を担ぎ出す行事を復活。担ぎ手は氏子に限り、鳥居の外からは棒が付いた曳台 に神輿を載せ、各町会関係者が間隔を保って担ぐような姿勢で押し、氏子四十四カ町を回る。
約100基の町神輿の練り歩きは今年も中止するが、子ども神輿の巡行は3年ぶりに披露される。冨士さんは「浅草の子どもは神輿を通じて協調性や祭りの大切さを学ぶ。子どもに担ぐ姿を見せ、また担いでもらいたい」と力を込める。
◆「前に進めていくことが重要」
ただ、例年は44町会で一斉に実施する子ども神輿巡行は、各町会の判断に委ねる。8町会が実施を決めたが、今回の方針に、氏子の一部からは戸惑いや疑問の声が上がる。
氏子男性の一人は「クラスターが起きたら責任の所在はどうなるのか」と指摘する。子ども神輿を出す町会関係者も「対応がばらばらでは、街の一体感が生まれにくくなる」と話した。
浅草神社の土師 幸士宮司(48)は「本来は足並みをそろえることが大切だが、感染が続く今の状況では難しい。少しずつ前に進めていくことが重要」と理解を求める。「開催に向けて町の人たちが多くの案を出してくれた。街を回る神輿に、皆さんの思いを乗せてほしい」と期待を込める。
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