<ひと ゆめ みらい>韓国料理の魅力伝える コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史さん(45)=板橋区

2022年5月16日 07時20分

「韓流ブームのたびに韓国料理への関心も高まってきた」と話す八田さん=新宿区の韓国料理店「美名家」で

 韓国の映画「パラサイト 半地下の家族」に出てくる汁なし麺のチャパグリや、テレビドラマ「愛の不時着」のとうもろこし麺やフライドチキンなど、同国の映画やドラマには度々食欲をそそる韓国料理が登場する。
 最近では韓国エンタメの浸透で日本のスーパーでも韓国食材をよく見かける。そんな身近になった韓国料理の魅力とトレンドを二十年前からウェブや雑誌で発信している。
 韓流ブームは、日本での韓国料理の人気にも影響を与えたという。ブーム初期はサムギョプサルやトッポギなどあまり知られていない料理が注目された。二〇一六年の第三次韓流ブームではSNSで写真に映えるチーズタッカルビが流行した。コロナ禍では愛の不時着で話題となったチキンの出前が人気を集めた。
 「脇役だった韓国料理が、ファッションやメイクのように韓国カルチャーの主役になってきた」と話す。
 韓国料理との出合いは大学在学中の一九九九年、ソウルに語学留学したのがきっかけ。卒論のテーマ「朝鮮料理はなぜ赤いか」の資料収集と語学習得が目的だった。
 食に関心がある留学生がいるという噂(うわさ)が広がり、韓国人の友人は、さまざまな料理を食べに連れていってくれた。韓国では食事はおおぜいで食べるという意識が強く、一人で昼食を食べていると「どうして連絡しないんだ」と怒られた。
 「焼き肉や鍋などみんなで囲んで食べる料理が多い。自分が食べるだけでなく、相手に食べさせることも大事にしている。食事の雰囲気が楽しかった」
 二〇〇〇年に帰国後「韓国のおいしいものを伝えたい」とメールマガジンを発行。それが編集者の目にとまり、韓国料理の記事を書くことに。「コリアン・フード・コラムニスト」という肩書も自ら考えた。
 以前は一年のうち四分の一は韓国に行き、地方を旅して、郷土料理を発掘していた。
 「地元の人から話を聞くようにしていた。その地域の特徴や歴史を知ると、料理とのつながりが見えてくる」
 コロナ禍で韓国には行けないが、家にいる時間が増え、韓国ドラマを見るようになった。食事のシーンにはメモを取り、ロケ地を調べるなど研究に余念がない。
 「韓国料理は、食べても食べても奥が見えない。おいしさだけでなく、食への姿勢や歴史を伝えていきたい」(砂上麻子)
<はった・やすし> 1999年から韓国に留学し、韓国料理に魅了される。2001年からコリアン・フード・コラムニストとして雑誌、新聞、Webに執筆を開始。著書に「韓国行ったらこれ食べよう!」など多数。トークイベントや講演のほか韓国グルメツアーのプロデュースも手掛ける。Webサイト「韓食生活」を運営。板橋区在住。

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