緊張高まるバルト海 スウェーデン、フィンランドがNATO加盟申請へ 欧州の安保環境激変

2022年5月16日 21時03分

2020年8月、スウェーデンのゴトランド島に展開する部隊=スウェーデン軍/TT News Agency提供、AP

【ロンドン=加藤美喜】スウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、全てのバルト海沿岸諸国がNATOの集団防衛の保障を受けることになる。スウェーデン議会が13日に発表した安全保障政策見直しの報告書では、「加盟により、自国の安保を拡大できるだけでなく、友好国の安保にも貢献できる」と意義を強調。逆に「わが国だけが唯一の非加盟となれば、ロシアの戦略的関心の的となり、脆弱性が増す」とも指摘した。
 バルト海沿岸にはロシアの飛び地カリーニングラードがあり、ロシア軍がバルト艦隊の司令部を置いている。4月下旬には、ロシアの偵察機がバルト海上空を領空侵犯し、スウェーデン軍の戦闘機がスクランブル発進する事案が発生。ロシア機の領空侵犯は3月にもあり、スウェーデン国内では緊張が高まっている。
 スウェーデンはバルト海に戦略的要衝のゴトランド島を持ち、カリーニングラードまで約300キロの距離にある。英BBC放送によると、同島は冷戦のピーク時には1万5000~2万人の兵士が駐留したが、冷戦後は撤退。しかし、2014年のロシアによるクリミア併合以降、スウェーデンは再び軍備を増強し、徴兵制を復活。16年にはゴトランド島にも約20年ぶりに部隊を配置した。
 約200年に及ぶ軍事非同盟路線はスウェーデンの誇りだったが、2月のロシアのウクライナ侵攻は欧州の安保環境を激変させた。3月の世論調査では加盟支持が51%と初めて過半数に達し、長年加盟に慎重だった与党内も加盟支持に転じる意見が強まった。

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