求む!嶺岡牧の番人 県酪農のさとが講座 19日まで受け付け

2022年5月17日 07時26分

千葉県酪農のさとの放牧場。天気次第でヤギが放牧される=いずれも南房総市で

 南房総市、鴨川市にまたがる牧場「嶺岡牧(みねおかまき)」の「番人」になりませんか−。牧場の一部に立つ「千葉県酪農のさと」(南房総市大井)が「嶺岡牧スチュワード講座」の本年度受講生を募っている。「日本酪農発祥之地」として県指定史跡になっているが、広大なエリアの多くは現在、未利用なまま朽ち果てつつあるため、二〇一八年度から実施している。(山本哲正)
 嶺岡牧は、軍馬育成の目的で管理された牧場。江戸時代の最盛期には七百頭近い馬が飼養された。八代将軍・徳川吉宗がインド産の白牛(セブー種)を放ち、乳製品の加工を手掛けたことから、日本酪農の発祥地とされる。
 牧の範囲は、江戸幕府直轄牧の時に限っても、外周約七十キロで、面積約百七十六平方キロと広大。現在、酪農のさとではヤギを放牧したり、白牛を飼育したりしている。酪農資料館では歴史を学べるが、活用面積としては約三万五千平方メートルにすぎない。
 講師を務める、元東京大学大学院教授で嶺岡牧調査員の日暮晃一さん(67)は「ほとんど牧だった山が放棄林の状態で荒れ果てている。牧の外周や区画に使われた石積みの『野馬土手(のまどて)』の遺構が野生のイノシシによって崩され、古い時代の牛舎跡も失われてきており、日本の内発的な産業革命の跡がなくなる恐れがある」と懸念する。
 講座は初級、中級で各六人まで。座学で嶺岡牧の基礎知識を得つつ、草刈りなどの現地実習や遺構の保全活動のサポートにも取り組む。
 五月から来年三月までの第四日曜に開催し、初回は今月二十二日。参加費は一回千五百円。申し込みは十九日まで。問い合わせは、千葉県酪農のさと=電0470(46)8181=へ。

飼育されている、耳が長く垂れた白牛


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