観光地 GW客足回復に手応え

2022年5月17日 07時34分
 今年のゴールデンウイーク(GW)は三年ぶりに新型コロナウイルス対策による行動制限がなかった。埼玉県内の観光地ではイベント開催も相まって多くの人出があり、関係者からは手応えとともに、コロナ禍の収束とさらなる客足の回復を期待する声が聞かれた。(武藤康弘、久間木聡)

◆川越「久々 関西弁聞いた」

GW後も多くの観光客の訪れる「時の鐘」周辺=川越市で(5月11日撮影)

 川越市の観光名所、菓子屋横丁でいも菓子などを販売する和菓子店「松陸」。店主の鈴木正利さんは、GW中(四月二十九日〜五月五日)に「久々に観光客の関西弁を聞いた」と胸をなで下ろす。まん延防止等重点措置が適用されていた昨年のGWと比べ、五月三、四日をピークに「かなり客足が伸びた」という。
 ただ、インバウンド(訪日外国人客)が戻っていないためコロナ禍前のにぎわいには及ばず、「コロナ前に比べてまだ70〜80%といったところ」とも。さらに「最近の物価上昇の影響か、観光客の財布のひもが固くなったようにも感じる」と喜びは控えめだ。
 西武新宿線本川越駅近くの川越プリンスホテルでは、昨年は全くなかったGW中の「満室」が数日あったという。同ホテルのセールス&マーケティング担当の嶋田創(はじめ)さんは「昨年の同時期に比べると、客室稼働率はおよそ一・四倍。コロナ前の二〇一八年との比較では八割程度まで戻ってきた」と手応えを口にする。
 GW中は対象外となっていた観光支援策「県民割」が再開したことも追い風といい、「引き続き今月末まで客室予約は堅調」と話した。

◆秩父 羊山公園・長瀞も盛況

見頃を迎えたシバザクラを楽しむ観光客=秩父市の羊山公園で(4月25日撮影)

 秩父市によると、シバザクラの名所・羊山公園の「芝桜の丘」を期間中(4月15日〜5月5日)に訪れた観光客数は、昨年比21.6%増の21万1234人。このうちGW中は同54.2%増の10万6002人と大幅に増加した。
 市の担当者は「連休前半の天候不順がなければさらに増えたのでは」と説明する。西武鉄道によると、同公園に近い西武秩父線・横瀬駅のGW中の利用者も昨年比で約2倍に増えた。シバザクラの公開に合わせて、同公園で「秩父路の特産市」が3年ぶりに開かれたことなどが影響したとみている。
 また、秩父鉄道によると、長瀞町の名勝・岩畳一帯と荒川の風景を堪能できる「長瀞ラインくだり」は、5月3〜5日に一日当たり約2000人の利用者があった。「特に4日はチケットを売り止めするほど、例年並みのにぎわいだった」と担当者。コロナ禍で昨年、一昨年と満足な営業ができなかったことから「一日でも早いコロナの収束に期待したい」と話した。

多くの行楽客が足を運んだ名勝・岩畳=長瀞町で(5月12日撮影)

 一方で長瀞駅前で貸し出しているレンタサイクルの利用は伸び悩んだ。長瀞町観光協会の田島茂行事務局長は、連休前半の雨の影響も指摘した上で「コロナの収束は見えないが、できることを続けていく」と話した。

◆県の観光クーポン 17万枚を配布

 県が5月末まで実施する観光応援キャンペーン「とくとく埼玉!」は、クーポン券の配布実績が4月2〜28日で約17万枚に上った。用意した30万枚の約6割に当たり、すでに配布を終了した宿泊施設もあるなど好評という。
 「とくとく埼玉!」は県内で宿泊した全国からの旅行者に、土産店などで使える最大3000円分のクーポン券を配る。
 当初4月末までだったキャンペーン対象期間は5月末まで延長。大型連休中(4月29日〜5月8日)に中断していたクーポン配布は9日に再開された。利用は6月1日まで。(近藤統義)

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