「戦争は悪いこと 早く平和訪れて」 ウクライナからつくばみらいに避難 リュボヴィさんが市役所で会見

2022年5月17日 07時43分

小田川浩市長(中)と面会したゴラルスカ・リュボヴィさん(左)と武藤マリヤさん=つくばみらい市役所で

 ロシア軍による侵攻が続くウクライナから避難し、つくばみらい市内の長女宅に身を寄せているゴラルスカ・リュボヴィさん(75)が十六日、市役所で記者会見した。リュボヴィさんは「平和な二十一世紀に、こんなことが起こるのはおかしい」と訴え、「戦争は悪いこと。毎日、銃撃戦で多くの人が死んでいる。早く平和が訪れてほしい」と願った。(林容史)
 リュボヴィさんはロシア国境から六十キロほどのウクライナ東部、親ロシア派武装勢力が一部地域を実効支配するドネツク州内のアパートで暮らしていた。
 戦闘が激しくなったため、四月十七日早朝にバスでドネツクを出発し、モスクワ、トルコ・イスタンブールを経由して同月二十日に来日。結婚してつくばみらい市に住む長女の武藤マリヤさん(52)と再会を果たした。
 マリヤさんによると、羽田空港に到着したリュボヴィさんは疲れ切って、安全な場所に避難できたことが実感できない様子だったという。
 リュボヴィさんは、「銃撃戦が始まり、飛行機が飛び始めた。緊張で張り詰め、どの方角から何がやって来るか分からない不安に襲われた」と現地の状況を説明。銃撃のたびに閃光(せんこう)で部屋中がオレンジ色に染められ、風呂場や壁に囲まれた廊下に身を隠したと振り返った。
 ドネツクには徴兵の可能性がある年齢の孫(29)を残しており、電話で「危険な戦闘地域には近づかないよう」に言い聞かせて無事を祈っているという。
 リュボヴィさんは今、近所に住む同年代の女性たちと多言語通訳機「ポケトーク」で会話しながら散歩したり、トマトや花を栽培したりしている。「日本に来られたおかげ。感謝している」と笑顔を見せた。
 マリヤさんは四月上旬、自宅を訪ねてきた市職員に「母親を避難させたい」と相談。リュボヴィさんがモスクワ経由で出国できる見通しになると、市はビザを発給してもらうため、現地の日本大使館に旅券と身元保証書の画像をメールで送り、支援を依頼した。渡航費用も市が独自に負担して避難が実現した。
 リュボヴィさんは記者会見に先立ち小田川浩市長と面会し、支援に謝意を伝えた。マリヤさんは「一人では何もできなかった。母が安全に避難できて、私も安心した」と話した。
 市は四月、在日ウクライナ大使館に人道支援募金百万円も届けている。市長は「現地のひどい状況について話を聞いてショックを受けた。一人でも多くの人を助けられれば」と語った。

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