果物など 大人の食物アレルギー 原因は花粉症の可能性 口のかゆみ、イガイガ…豆乳は重症化例も

2022年5月17日 10時11分
 特定の果物を食べたり豆乳を飲んだりすると、口の中がかゆくなる、喉がイガイガする−。こんな症状があれば、花粉症が関連しているかもしれない。専門家によると、大人になってから発症する食物アレルギーのうち、果物や豆乳などが原因の場合は「花粉−食物アレルギー症候群」(PFAS)であることが多い。この時期、花粉症の人が注意すべきなのは豆乳という。 (細川暁子)
 子どもの場合、食物アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)の多くは卵や牛乳、小麦だ。一方で大人は、果物や野菜が多数を占める。
 「大人の食物アレルギー」の著者で国立病院機構相模原病院の福冨友馬さん(43)が、二〇〇九〜一一年に食物アレルギーで同病院を受診した十六歳以上の百五十三人について調べたところ、原因は果物・野菜(豆乳・大豆を含む)が48・4%と最多だった=グラフ。福冨さんによると、果物や野菜の食物アレルギーはPFASである例が多く「花粉症の人の増加に伴い、増えている」と話す。
 体内に入った花粉に含まれるアレルゲンを追い出そうと抗体がつくられ、鼻水や涙などが出るのが花粉症のアレルギー反応だ。果物や野菜などには、花粉のアレルゲンと似た構造のアレルゲンを含むものがあり、これがPFASを引き起こす。抗体が花粉と勘違いすることでアレルギー症状が出るのだ。こうした状態を「交差反応」という。
 花粉症に悩んでいた東京都のナレーター水上ゆかさんは長い間、モモやメロンを食べると喉が痛む症状があった。二年ほど前にアレルゲンを調べる血液検査をしたところ、カバノキ科やイネ科などの花粉症と分かった。
 医師からは「花粉症の交差反応」と告げられた。例えばモモは、一〜六月に飛散するカバノキ科のハンノキやシラカバの花粉にあるタンパク質「PR−10」に似たタンパク質を含む。以降、食べるのは避けているが「なぜ食べないの?」などと勧められて困ることも。「果物を食べられない人がいることも知ってほしい」と話す。
 どの植物の花粉にアレルギーを持つかで、症状が出やすい果物や野菜は異なる=表。特に注意が必要なのは、健康ブームで消費が増えている豆乳だ。大豆は、カバノキ科の「PR−10」に構造が似たタンパク質を含み、豆乳は呼吸困難など強いアレルギー症状を起こすリスクがある。
 福冨さんによると、豆乳アレルギーは花粉の飛散がピークを過ぎた五〜六月に発症する人が多い。国民生活センターにも相談が寄せられており、カバノキ科の花粉症の人が豆乳を飲む際は注意するよう、また症状が出たらすぐに摂取をやめて医療機関を受診するよう呼び掛けている。
 PFASの患者がどれぐらいいるかははっきりせず、確立された治療法もない。そのため、福冨さんは「特に花粉が飛散している時期は抗体が増えるので、原因となる食物を避けることが基本」と話す。症状は口の中で終わる例が多く、重症化するのはまれだが、豆乳アレルギーのように重篤な状態に陥る場合もある。何らかの自覚症状があれば、アレルギーの専門医を受診し、血液検査などでアレルゲンを特定するよう勧めている。

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