<ベルマーレだより>仲間を鼓舞 米本拓司選手 挑戦するベテラン
2022年5月18日 06時49分
「ミスしてもカバーするから、大丈夫だから!」
ピッチに響くベテランの声。今季、名古屋グランパスから加入した米本拓司である。
普段は寡黙だが、ピッチに入ると、勝利への執念を全身にみなぎらせ、大きな声で仲間を鼓舞する。指示の声、集中力を途切れさせないための声を発し、手をたたき、90分間、チームを勇気づける。
ハードワークを続けながら、声を発し続けるのは容易ではない。しかし「自分が声を出すことによって周りに伝染していけばいいと思うし、そうすればみんながやりやすくなって、助け合うことができる」と米本は語る。
足でボールを扱うサッカーは「ミスのスポーツ」と言われる。もちろんミスはない方がいいし、ミスをしないために日々トレーニングを重ねている。それでも出てしまうミスを補い合うのがチームスポーツだ。
「ミスが起きたとしてもカバーしてくれる仲間がいると思えば、恐れずに思い切ったプレーができる。一人一人が強みを存分に出せれば、それが勝利につながると思う」
J1で三百試合以上に出場し、日本代表経験もある三十一歳の米本にとって、移籍の決断は「新しいことに挑戦したい」という思いからだった。
山口智監督の下、新しい考え方に触れる日々。「自分が苦手なところを指導し要求してくれるので、まだまだうまくなれると実感している。年齢を重ねるとあまり言われなくなるが、要求された方が成長できる。本当にありがたいことだと思います」
チームはここまで試合内容に手応えをつかみながら、望むような結果を得られていない。そのもどかしさは選手が一番感じている。だからこそ、積み重ねているものを信じることが大切であり、チャレンジをやめないことが大切だ。
それを知っているベテランは「大丈夫だから」と大きな声を発し続ける。(遠藤さちえ=湘南ベルマーレ広報)
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