1〜3月期のGDPは年率1.0%減、2期ぶりマイナス成長 新型コロナの感染再拡大で個人消費が失速

2022年5月18日 19時34分
内閣府

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 内閣府が18日発表した2022年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減で、このペースが1年間続くと仮定した年率換算は1.0%減だった。2・四半期ぶりのマイナス成長だった。新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置が3月下旬まで適用された影響で、個人消費が振るわなかった。
 実質GDPの実額は年率換算で537兆円で、19年10~12月期の541兆円を下回り、政府が21年度中の回復を見込んでいたコロナ流行前の水準には届かなかった。米国やユーロ圏は既にコロナ前の水準を上回っており、日本の回復の遅れが目立つ。
 項目別では、GDPの半分以上を占める個人消費は0.03%減で、2・四半期ぶりマイナス。企業の設備投資は0.5%増で、2・四半期連続プラスだった。
 輸出は米国の需要が回復したことなどから1.1%増。輸入も、コロナワクチンや携帯電話などが増えて3.4%増。輸入が輸出を上回ったことで全体を押し下げる結果となった。
 物価の変動を反映し景気実感に近いとされる名目GDPは0.1%増で、年率換算は0.4%増だった。
 同時に発表された21年度の実質GDPは前年度比2.1%増、名目は1.1%増。実質は3年ぶり、名目は2年ぶりのプラス成長だった。(原田晋也)

◆物価上昇や海外景気による逆風懸念

 <解説> 1〜3月期の国内総生産(GDP)が、昨年10〜12月期の高成長からマイナスに転じたのは、年初からの新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染再拡大で個人消費が失速したためだ。感染状況が落ち着きつつある4〜6月期はプラス成長が予想されるが、物価高やウクライナ情勢などによって、景気回復への視界は晴れていない。
 外食や宿泊、娯楽関連といったサービス消費が減少したほか、感染拡大の影響で供給制約が続いている自動車の減産も響いた。輸出が米国の需要回復で前期より持ち直したものの伸び悩んだ一方、ワクチン購入で輸入が大幅に増え、成長率の押し下げにつながった。
 まん延防止等重点措置が解除された3月下旬以降は、個人消費も持ち直しつつあるため、エコノミストらは来期のGDPをプラス成長と予想する。だが、円安進行による生活必需品などの物価上昇やウクライナ情勢による原油高の影響が本格化し、日本経済への逆風は続く。
 さらなる懸念は、海外景気の減速による輸出の減少だ。特に「ゼロコロナ」政策で厳しい行動制限を続ける中国の経済は失速しており、日本からの輸出に大きく響きかねない。
 21年度のGDPは、国内感染の状況に連動する形で四半期ごとに前期比でプラスとマイナスを繰り返してきた。コロナ以外の要因でも逆風となるリスクが高まっており、景気の先行きが見通しづらくなっている。(坂田奈央)

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