ヒメアジサイ、練馬へ「里帰り」 牧野博士が育てた株を高知から 自宅跡の記念庭園で植樹

2022年5月19日 07時09分

牧野植物園の「ヒメアジサイ」=2015年、高知県立牧野植物園提供

 日本の植物学の父と呼ばれ、練馬区名誉区民の牧野富太郎博士(一八六二〜一九五七年)が育てていた「ヒメアジサイ」の一株が、出身地の高知県から博士の自宅跡にある区立牧野記念庭園(東大泉)に移して植樹された。「里帰り」したアジサイは来月初旬に咲き始め、中旬に見頃を迎えるという。庭園は一般公開されており、関係者は「美しいアジサイとともに博士の功績を知ってほしい」と話す。(砂上麻子)
 ヒメアジサイは一九二八(昭和三)年に牧野博士が長野県の戸隠山の近くにある民家で発見した。花房が小さくて花びらが澄んだ空のように青く、優美で美しい姿に感動して「ヒメアジサイ」と名づけた。
 牧野博士が生前、自宅に植えていたが、自宅跡地を整備してできた牧野記念庭園にはヒメアジサイはなく見ることはできなかった。
 一方、博士の没後、家族からヒメアジサイの枝が、博士の業績を顕彰する高知県立牧野植物園に贈られていた。植物園は半世紀以上、大事に育て系統を維持してきた。
 今年の牧野博士生誕百六十年を記念して植物園が「里帰り」を提案した。十四日、記念庭園で植樹式があり、区や博士の親族、牧野植物園の関係者ら約二十人が出席して、一株が庭園の敷地に植えられた。牧野植物園学芸員の藤井聖子さん(41)は「ヒメアジサイをきっかけに高知と練馬区の交流が深まり、博士の業績を顕彰していくことを願っています」と話した。
 牧野博士は高知県に生まれ独学で植物の知識をつけた。上京して東大理学部植物学教室に出入りし研究に没頭。博士が命名した植物は千五百種類にのぼる。練馬区には亡くなるまで三十余年を過ごした。来春から放送されるNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルになっている。

牧野記念庭園に植樹されたヒメアジサイ=練馬区で


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