鋸南の画家・溝口さん 娘3姉妹が連携 房州石倉庫にギャラリー 遺作展示

2022年5月19日 07時10分

倉庫を活用したギャラリーを紹介する佐生かおりさん

 鋸南町を拠点に房州の自然を描き、二〇一九年十月に八十三歳で亡くなった画家溝口七生(かずお)さんの作品を展示する「ギャラリー&カフェ 船形倉庫」が、館山市船形にオープンした。溝口さんのまな娘三姉妹が「連携プレー」を発揮して、開館にこぎ着けた。(山本哲正)
 溝口さんは一九三六年、東京生まれ。東京学芸大を卒業後、当時の富山町(現南房総市)にあった東京都大田区立岩井養護学園の教諭となり、房州各地で勤務した。在任中に油絵を始め、海や岩、砂丘など地元の風景を描き続けた。千葉県美術展覧会(県展)をはじめ、時流に迎合することなく自由な芸術の完成を目指す「光陽会」主催の光陽展などで各賞を受賞している。
 ギャラリーの開設に動いたのは、溝口さんの娘三姉妹だ。遺作の整理中「多くの人に見てほしい」との思いを強めた長女の佐生かおりさん(57)が、二〇年夏、鋸山(のこぎりやま)の房州石でできた築九十九年の倉庫物件を見つけたことがきっかけとなった。
 溝口さん一家は、かおりさんが十歳ごろまで鋸山のふもとで生活していた。この山が描かれた作品も複数あり、「導かれたかのようだった」とかおりさん。そこからギャラリー構想が一気に具体化したという。
 かおりさんが持ち前の企画力と実行力を振るう一方、中小企業診断士の次女五十嵐暁美(あけみ)さん(55)はビジネス感覚を発揮し、運営方法をアドバイス。文章を書くのが得意な三女大塚あかりさん(52)はパンフレットやホームページの作成を担当した。溝口さんの妻・和さん(86)の了解も得て、先月九日にオープンした。
 ギャラリースペースには、砂浜の貝やペットボトルなどを描き県展県知事賞を受賞した「砂の記憶」などの作品二十点近くが並ぶ。自宅に残された作品は約三百点あり、定期的にテーマを設けて展示していく。
 「船形倉庫」の営業は金−日曜の午前十時〜午後五時半。問い合わせはかおりさん=電090(4069)4169=へ。

温かみがある房州石の壁に展示される溝口さんの作品。右奥が「砂の記憶」=いずれも館山市船形で


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