元「織田信長」、熊本城で映画撮影 武将隊も出演 復興支援の「願い」込め

2022年5月19日 11時03分
 戦国武将などにふんして名古屋市などの観光PRに取り組む「名古屋おもてなし武将隊」で活動した佐野俊輔さん(39)が、名古屋と熊本を舞台に初めて製作した映画「まもり屋ー『願い』」が、20日から東京・池袋や名古屋市などで上映される。熊本の武将隊との交流をきっかけに、地震から復興途上にある今の姿を伝えたいとの思いを込めた。佐野さんは「名古屋の人が作った映画が熊本との架け橋になれば」と願う。(中崎裕)

初めて制作した映画への思いを語る佐野俊輔さん=名古屋市で

 佐野さんは現在、名古屋市でタレント事務所を経営している。2012年から4年間、名古屋城の名古屋おもてなし武将隊で織田信長役を務め、熊本城おもてなし武将隊との共演で何度も九州を訪れた。退任直後の16年4月に熊本地震が発生し、「何か支援ができないか」と年に1、2度はファンとのツアーを企画して現地を訪れてきた。
 映画作りのきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大だった。武将隊を退いてからは舞台やイベントを中心に活動していたが、軒並み中止に。活動の場を失った事務所の若手や地元の仲間たちと、手探りで映像作品を制作し、インターネット配信などに取り組み始めた。
 劇場公開を目指した4作目の舞台には、復興支援の1つのきっかけにしたいと熊本を選んだ。昨年10月には、熊本の武将隊にも出演してもらい、現地の関係者の力添えで熊本城内でもロケをした。

熊本城での撮影に臨む佐野さん(右から2番目)ら=熊本市で(映画護り屋「願い」製作委員会提供)

 映画は、佐野さんが演じる主人公ら「護り屋」が、熊本地震で両親を亡くし声も失った少女らと出会い、大事な人を守る依頼を受け事件に巻き込まれていく内容。歌手の山川豊さん(63)や、名古屋のご当地アイドル「dela」の元キャプテン沢井里奈さんらも出演している。
 「被災者でない私たちが地震を語ることに怖さもあった」と佐野さん。まず熊本の人たちに見てもらいたいと、3月に熊本城のイベントで上映会を開いて思いを語ると、「忘れないでいてくれることがうれしい」と感謝され、救われた気がしたという。
 上映してくれる映画館を求めて営業して回り、東京・池袋の池袋HUMAXシネマズ、名古屋市のミッドランドスクエアシネマとセンチュリーシネマのほか、熊本や福岡、大阪の映画館で20日から1週間の上映にこぎつけた。
 製作費は文化庁の補助金とクラウドファンディングでまかない、地元企業の協賛も得て福祉施設の子どもらにチケットを配っている。佐野さんは「初めての映画製作でゼロから1にするのは大変だけど、たくさんの人たちに助けられ、愛情と思いで実現できた。ぜひ多くの人に見てほしい」と話している。

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