衆院憲法審の要旨(2022年5月19日) 公明「情報決定権の確立必要」 国民「自衛隊解釈の共有を」 共産「9条変更認められない」

2022年5月19日 20時19分
 19日の衆院憲法審査会での各会派代表による意見表明の要旨は次の通り。

国会議事堂

新藤義孝氏(自民)
 自民党の9条改正の条文イメージは「9条の2」として新たな条項を追加し、自衛隊を憲法に明記している。現在の自衛隊をそのまま規定したもので、戦力や軍隊ではない。必要最小限度の範囲内での自衛権行使が許されるという憲法上の制約も全く変わるものではない。憲法改正が具体的な防衛体制に直接影響を与えるとは考えていない。激変する安全保障環境に対応するための具体的な防衛政策は、国家安全保障戦略などの政策と関連予算によって整備される。
奥野総一郎氏(立憲民主)
 憲法改正の議論より、現在の9条で日本を守るためにどのようなことができるのか、何ができないのかをはっきりさせるべきだ。「9条の2」が自衛隊を規定するということだが、自衛隊に何ができるかは書かれていない。かえって議論が複雑になり、混乱を招く。9条改憲に国民は慎重だ。国論を2分して、(発議を)強行して否決でもされたら、自衛隊が違憲になる。慎重に判断すべきだ。(自民党の)改憲4項目ありきの議論、とりわけ9条については断固反対する。
足立康史氏(維新)
 9条に関する国民的議論を喚起したいという思いで条文イメージを策定、公表した。現行9条を維持した上で「9条の2」を新設し、「前条の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の1として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する」と明記する。自衛権は閣議決定による憲法解釈、平和安全法制等の法律で規律付けする現在の枠組みを維持する。
国重徹氏(公明)
 デジタル社会において、国家には個人の生き方などをサポートするインフラの確保や権利の整備を行う責務がある。個人の尊重原理が侵害される恐れなどの課題への対策として、情報自己決定権の確立が必要だ。13条の幸福追求権の解釈から導くことができるという見解もある。まずは解釈について議論し、不十分と考えられる場合に新たな根拠条文の創設を検討すべきだ。
玉木雄一郎氏(国民民主)
 政府は、自衛隊は軍隊ではなく、自衛のための必要最小限度の実力組織という解釈で説明してきた。必要最小限は、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的な概念だ。量的な概念だという説明もある。現在の解釈について議論が分かれるようであれば、まず憲法審査会で必要最小限についての解釈を共有、確定することを求めたい。
赤嶺政賢氏(共産)
 政府は集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことも可能と答弁している。日本への武力攻撃が行われていないのに、他国を攻撃することなど9条の下で許されるはずがない。相手国を攻撃すれば、それ以上の反撃を受け、日本全土が攻撃にさらされる。ウクライナ危機に便乗し、9条を変えるべきだという主張がなされるが、平和憲法の根幹を覆すことで認められない。
北神圭朗氏(有志の会)
 必要最小限度という基準は、国際情勢や軍事技術の変化に応じて中身が変わりうる。曖昧な基準によって国家権力を統制しようとするのが9条だ。混乱を正すため、2つの方法が考えられる。1つは、厳密でなくとも憲法上の抑制機能として前向きに評価すること。もう1つは、曖昧な規定を憲法から外し、時々の安全保障環境に応じて法律や政策で柔軟に対応することだ。

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