4月の消費者物価指数2.1%上昇 伸び率は7年ぶりの高水準 資源高と円安が要因

2022年5月20日 19時24分

総務省が入る中央合同庁舎第2号館


 総務省が20日発表した4月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比2.1%上昇の101.4だった。伸び率の大きさは消費税増税の影響で2.2%上昇した15年3月以来約7年ぶり。増税の影響を除くと、08年9月(2.3%)以来約13年半ぶりの水準だ。原料を輸入に頼る食品やエネルギーといった生活必需品の値上がりが顕著で、円安がさらに価格を押し上げた。
 新型コロナウイルスやウクライナ情勢を背景に、原油や小麦粉などが高騰。米国の人手不足や貨物航空がロシア上空を避ける影響で物流費も高止まりし、ハンバーガーや中華麺など身近な食品が幅広く値上がりした。
 生活に欠かせない品目に特化した「基礎的支出」は同4.8%上昇と、統計が比較できる11年以来で増税の影響を除き最大の伸び幅だった。高額品やレジャーなどの「選択的支出」と呼ばれるぜいたく品は同0.1%上昇にとどまり、低所得層を中心に生活への悪影響が鮮明になっている。
 政府と日銀が13年に交わした共同声明で掲げる物価目標の2%を上回った。ただ、日銀は供給不足と円安に伴う物価上昇は長続きしないとみて、大規模な金融緩和政策を続ける見通しだ。

◆日銀の異次元緩和継続 「悪い物価上昇」も続く懸念

 今回の物価上昇は、政府・日銀が想定してきた賃金上昇と消費の活性化という「景気の好循環」を生むものとは異なる。そのため、日銀は金利をゼロ付近に抑える異次元緩和を続ける方針だ。米国などが利上げに進む中、物価を押し上げる円安は続きそうだ。
 「4月の輸入物価の前年比上昇率の中身は、資源価格の上昇が3分の2、為替は3分の1だ」。消費者物価の基となる輸入物価について、日銀の雨宮正佳副総裁は、17日の衆院財務金融委員会でこう述べた。新型コロナウイルスやウクライナ情勢を受けた原材料や物流費の高騰が、国内物価高の主因との説明だ。
 だが、日銀によると輸入物価の上昇要因としての円安は、1〜3月は「4分の1」だった。為替の影響はじわりと強まっている。
 企業の円換算の売り上げが増す円安のメリットが及ぶのは、輸出型の一部大企業にとどまる。国内企業の大半を占め、内需やサービス型の多い中小企業は、デメリットの方が大きくなりやすい。一方、働く人の賃金上昇率は0.62%(9日時点の連合まとめ、定期昇給分を除く)と伸び悩み、物価高に追いついていない。
 物価高に影響する円安が今後も企業の賃上げにつながらなければ、消費者心理の冷え込みを通じて日本経済全体にとってマイナスになりかねない。(皆川剛)

関連キーワード


おすすめ情報