東京スカイツリーは「空を見て感動する気持ちを教えてくれた」 自宅の特等席で定点撮影を続けて10年

2022年5月20日 11時30分

斉藤光代さんが撮影した朝焼けに染まる東京スカイツリー(斉藤光代さん提供)

 東京スカイツリー(東京都墨田区)は22日、開業10周年を迎える。自立式電波塔としては世界一の634メートルの高さを誇るランドマーク。四季折々の風景を、隅田川を挟んだ自宅のバルコニーから撮影してきた斉藤光代さん(57)=台東区駒形=の活動も10年の節目を迎える。初心者だったカメラの腕は塔が磨いてくれた。(三宅千智)
 鹿児島出身。約30年前に地元のデパートの食品売り場に修業にきていた、浅草のサツマイモ問屋「川小かわこ商店」5代目の浩一さん(54)と出会い、結婚した。「ただの芋屋」と聞いていたが、1876(明治9)年創業の老舗。結婚式には当時の台東区長も出席したという。川小商店は今、浅草や上野、巣鴨などに12店舗がある「おいもやさん興伸こうしん」を展開する。

斉藤光代さんが撮影したライトアップされた東京スカイツリー(斉藤光代さん提供)

 斉藤さんは、川小商店の広報を担う。自宅兼本社の5階にあるルーフバルコニーから隅田川越しにスカイツリーの眺望が楽しめる。

自宅兼本社の建物から東京スカイツリーを撮り続けている斉藤光代さん

 お気に入りは朝焼けに染まるスカイツリー。「太陽が昇るまでの10分間が勝負。起きてすぐ、パジャマ姿のまま撮影できる環境はありがたい」と朗らかに笑う。
 都心のシンボルだった東京タワーには上京前から憧れがあったが、建設中のスカイツリーには「そこまで興味がなかった」と言う。タワーが完成し、自宅からライトアップされた姿を目にして、想像を超える美しさに心が弾んだ。「これは撮らなくちゃもったいない」。朝夕のスカイツリーを写真に収めるのが日課になった。
 写真は全くの初心者で、ピントが合わなかったり構図が斜めになったりと失敗を繰り返した。スカイツリーと東京の下町を愛するアマチュア写真家らの写真クラブに所属し、仲間に教えてもらいながら技術を磨いた。写真展への出品も励みになっている。これまで撮った枚数は「数え切れない」と屈託がない。

斉藤光代さんが撮影した東京スカイツリー。絵画のような雲が印象的(斉藤光代さん提供)

 塔にかかる虹、台風一過で水が澄んだ隅田川に映る姿、形を変えながら塔の上を流れる雲…。思いもかけなかった景色が眼前に広がる瞬間が何物にも代えがたい喜び。「写真を撮る楽しさや、空を見て感動する気持ちを教えてくれた」塔はこれからどんな表情を見せてくれるのだろう。期待を胸にきょうも特等席でカメラを構える。

関連キーワード


おすすめ情報

東京の新着

記事一覧