2021年の都内宿泊者数は3656万人 2年連続で過去最低 コロナ規制緩和で改善へ<深掘りこの数字>

2022年5月22日 06時00分
 観光庁によると、2021年に東京都内のホテルや旅館などに宿泊した人は3656万人にとどまった。7~9月は東京五輪・パラリンピックが開催されたが効果は限定的で、統計を比較できる11年以降、2年連続で過去最低を更新した。
 東京都の宿泊者数は都道府県別トップで、全体の1割強を占める。過去最低の更新は全国の数値も同様で、新型コロナウイルス感染症による観光や出張の自粛などが響いた。
 コロナ前の19年と比べると東京都の宿泊者は53.7%も減少している。このうち外国人は95.1%の大幅減となった。
 ただ、ワクチン接種効果などもあり、足元では改善の状況が続いている。昨年11月から、統計のまとまっている今年2月まで4カ月連続で前年を上回っている。国内の宿泊需要は今後も感染動向に左右される不安定な状況に変わりはないが、政府による移動の自粛要請が終わり、入国制限も緩和方向となっていることから、当面は改善が続く可能性はある。
 日本航空、ANAホールディングスの航空大手2社は今春の決算発表で、本年度は需要が本格的に回復するとして黒字転換を見込んでいることを明らかにした。
 懸念材料は、ウクライナ有事に端を発した物価高だ。生活必需品の相次ぐ値上げは市民生活を圧迫しており、コロナの感染状況が好転しても、個人消費を押し下げる懸念が強い。一方、皮肉なことだが、同様に大きな影を落としている円安は、日本を訪れる外国人にとっては追い風になる。「日本の人気が高い台湾や香港などアジア地域では訪日観光への期待が膨らんでいる」(エコノミスト)との指摘も出ている。(森本智之)

関連キーワード


おすすめ情報

東京けいざいの新着

記事一覧