<ねぇゴローちゃん!腹話術師の旅日記>「日本の良心がやって来た」 韓国の国際演劇祭で上演

2022年5月21日 07時16分

2005年5月、韓国・馬山市の路上で腹話術を披露するしろたにさん(本人提供)

 韓国には五回行きました。
 「ねぇ、ゴローちゃん、仲良くできる方法ないかなぁ」
 「あるよ」
 「えっ、ある? 教えて」
 「あのね、悪いことしたら謝んなきゃダメ!」
 現地で、日本調の神社の鳥居が残っているのを見て日本が支配していた時代を思い起こしました。道を韓国語で尋ねたら日本語で「あっちだよ」と教えてくれ、戦時中、日本に連れて行かれ働いていた話をしてくれたこともありました。
 二〇〇五年五月に所属する京浜協同劇団で「馬山(マサン)国際演劇祭」に日本代表で参加した時のことでした。島根県が「竹島の日」を制定し、日韓関係がぎくしゃくしていたころです。
 劇団は日本の太鼓やわらべ唄、南京玉すだれ、バナナのたたき売りなどを上演しました。私は腹話術を韓国語でやりました。
 ゴローちゃん「うちの首相が謝りに来ないので代わって僕が謝りに来ました」
 私「戦時中は大変ご迷惑をお掛けしました。お許しください」
 ゴローちゃん「ごめんなさい」
 私「だけど日本はもう戦争をしないと憲法で誓いました。これからは仲良くしてください」
 五百人くらいの会場から大きな拍手が来て、上演後テレビや新聞の記者に取り囲まれました。取材した記者が言いました。「今まで日本からは財界の人たちやテレビドラマのヨン様ファンたちくらいしか来なかったけど、今日は日本の良心がやって来た感じです」
 翌々日の地元紙「慶南道民日報」の一面トップに私が掲載されたのです。
 よく言われることですが、殴った方は忘れても殴られた方は忘れないのです。意見や立場が違う人たちとこそ、よく話し合うことが大事です。ゴローちゃんは友好と平和の旅を続けます。(しろたにまもる=寄稿)

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