相模原市、区画整理再開へ 完了5年延期 総事業費2.5倍、319億円

2022年5月21日 07時22分

掘り出された地中埋設物を含む土が仮置きされ、ブルーシートで覆われた事業計画地の一角=相模原市南区で

 相模原市は二十日、地中から大量の廃棄物が見つかり二〇一九年六月から中断している南区の「麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業」(約三十八ヘクタール)を再開すると発表した。示された計画見直し案では、当初百二十七億円だった総事業費を二・五倍の三百十九億円に増額、工事完了は五年延期し、二九年度とした。今後、約四百人の地権者や市民への説明会を行い、二三年度中の変更案確定と工事再開を目指す。(村松権主麿)
 二十日の市議会全員協議会で、再開を発表した本村賢太郎市長は「土地利用計画や地中障害物の調査、処理方法の変更などを抜本的に見直した。市が発展するために必要な事業と判断した」と説明。同地区は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)愛川インターチェンジに近く、市は「産業を中心とした新たな拠点」と位置付け、事業完成で年約九億円の税収や雇用創出効果を見込む。事業の廃止と縮小も検討したが、多額の経費がかかり困難と判断した。
 見直し案では、道路の幅員縮小や廃止で整備費を削減し、大街区化を図る。掘削調査で出た地中障害物はすべて廃棄とはせず、コンクリート片や建築廃材などと分別した土をセメントなどに再利用。今後は掘削による地中障害物の調査は行わず、レーダー調査やボーリング調査とする。
 総事業費のうち六十八億円は工事や調査などで支出済みで、本年度以降は二百五十一億円を支出。地中障害物の処理は三十七億円に抑える。財源は、市費二百十二億円と国庫補助金、地権者負担で賄う。
 同事業では、地区全体計画(約百四十八ヘクタール)のうち約三十八ヘクタールを、市施工で先行整備する。地中障害物の存在は早い段階で分かっていたが、当初の総事業費に処理費用は含まれず、一七年一月に着工。計画地の約四割で行った掘削調査で、地中障害物を含む計約五万八千立方メートルの土が掘り出された。事業継続が難しくなり、一九年四月に初当選した本村市長が中断を決定。中断しなかった場合、総事業費は五百四十一億円に膨らんだと試算される。
 全員協議会終了後、本村市長は報道陣の取材に「二度と失敗は許されない」と強調。事業が中断に追い込まれた原因を究明し、推進した前市長時代の幹部らに対し、法的措置も検討していると明らかにした。関係者の証人喚問などをしている市議会百条委員会の議論も参考にするという。

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