沖縄の苦難に心を寄せて

2022年5月21日 07時36分
 今月十五日は一九七二(昭和四十七)年の沖縄復帰から五十年の節目でした。本紙を含む各紙が長文の社説で、復帰五十年に当たっての見解をそれぞれ表明しました。
 本紙は十五日社説「週のはじめに考える 基地存続に無念の涙雨」で、復帰は沖縄の人たちにとって基地のない平和の島への希望だったはずなのに、五十年を経ても多くの米軍基地が残る現状を指摘、「沖縄は本当に復帰したと言えるのか。いま一度深く考える必要がある、と思わずにはいられない」と訴えました。
 「涙雨」は五十年前のこの日、沖縄で激しい雨が降ったことにちなみます。今年の沖縄復帰五十周年記念式典も雨中の開催でした。変わらぬ現実を憂えているようです。
 十六日社説「『うちなー世(ゆ)』はまだか」も「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている」と訴えました。
 社説を含む本紙の沖縄報道には、読者から「沖縄の問題は本土に住む私たちの問題」「読んでいてひとごととは思えなかった」などの感想が寄せられています。
 東京新聞は二〇一〇年からほぼ毎年、沖縄復帰の日の五月十五日と、沖縄で日本軍の組織的抵抗が終結した六月二十三日の慰霊の日には長文の社説を掲載してきました。
 沖縄の人たちに心を寄せ、その苦難を読者や政策決定者らに伝えることで、ともに考え、問題解決の糸口をつかみたい、との思いからです。
 今年の復帰の日の社説は、各紙社説とともに、沖縄の地元紙、琉球新報でも紹介されました。琉球新報の論説担当者からは、こうした私たちの取り組みに「東京新聞の論説はとても心強い」との言葉も届いています。
 沖縄の過重な基地負担を減らし、事件や事故に脅かされない暮らしを取り戻すにはどうしたらいいのか。私たちは読者はもちろん沖縄の新聞社の仲間たちとも、ともに考え続けたいと思います。(と)

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