<新型コロナ>「第7波」へ高齢者施設重点 神奈川県の感染対策 医療機関と提携推奨

2022年5月22日 06時50分

検体採取の研修の様子(県提供)

 新型コロナウイルスの次の感染拡大に備え、神奈川県が高齢者施設に的を絞った対策を進めている。一月からの感染拡大ではクラスター(感染者集団)が多発し、重症化する入所者も相次いだ。県は、施設で感染者が出た際に迅速に感染範囲を特定する取り組みを開始。施設には医療機関と事前に提携しておくことを推奨し、十七日には、協力を呼びかけるチラシを医療機関に配布した。(志村彰太)
 県のまとめによると、一〜二月に死亡した新型コロナ感染者三百十一人のうち、三百四人を六十歳以上が占めた。高齢者施設などのクラスターは最大三百五十カ所で同時発生し、重症化する入所者も相次いで病床が逼迫(ひっぱく)した。県医療危機対策本部室は「施設内で感染者が出たら、すぐに介入して拡大と重症化を防止することが重要だ」とする。
 これまで高齢者施設で感染者が発生した場合、保健所が感染経路などを調べる「積極的疫学調査」を行った後に、濃厚接触者らの検体を採取し、拡大状況を調べていた。しかし、オミクロン株は感染力が強く、検体採取までに感染がさらに拡大していたという。
 こうした反省から、四月下旬から積極的疫学調査を待たずに検体採取に入る態勢に変更した。保健所業務が逼迫していることも踏まえ、県庁本庁舎内に総勢百十人で構成し、一日当たり二十施設を巡回できる「検体採取チーム」を結成。感染者が出たら、チームが施設に出向いて幅広く検査する。これにより、検査や治療開始が一〜二日早まるという。
 重症化予防では、周辺の医療機関から往診に来てもらう取り組みを始めた。県が県内二千八百の高齢者施設に「提携先の医療機関があるか」と聞いたところ、三割ほどが「ない」と答えたという。県は往診する医療機関を「クラスター往診医療機関」と名付けて募集し、施設と事前に引き合わせている。応募してきた医療機関はまだ十数カ所にとどまり、県は「第七波に備えて協力してくれる医療機関を増やしたい」としている。

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