<突撃イバラキ>謎のティラノを捜せ 常磐線 東海−大甕

2022年5月22日 07時08分

線路に向かってキバをむくティラノサウルス

 ヤツらが出るのは一瞬だ。JR常磐線の東海−大甕(おおみか)間の線路わきに、謎のティラノサウルスとマンモスの像が立っているという。かつては地元の高校生の間で口伝されてきたというが、今聞き込んでみると知らない人ばかり。本当にヤツらはいるのか。(加藤裕治)
 「高校に上がった時、先輩から聞きました。電車の中から外を見ていて、『ほら』って」。水戸市で働く契約社員鈴木智子さん(35)は県内の高校に通っていた約二十年前を振り返る。
 「ほら」の瞬間、鈴木さんの目の前を、茂みの中にいるマンモスとティラノサウルスが通過。先輩いわく、誰が何のために建てたか分からず、「大甕七不思議」の一つだという。そして、学年が進んだ鈴木さんも後輩にこの話を伝えた。ちなみに残りの六不思議は覚えていないそうだ。
 像があった場所は東海から大甕に向かう間。久慈川の鉄橋を越えた後で、線路の左手…。うろ覚えだ。ヤツらが今もいるのか確認するには、場所を特定する必要がある。まずは大甕駅で高校生に聞いて回った。
 「え、マンモス? 知りません」「まったく聞いたことありません。ごめんなさい」。何人に聞いても、何の情報も出てこない。変な話で高校生に声を掛けて回る記者への世間の目は厳しい。聞き込みは早々に断念した。
 今度は電車に乗って車窓から動画を撮影し、それを細かくチェックした。おやっ。緑の中に一瞬、黒い動物の顔のようなものが写り、続いて茂みの奥に紫色の大きな物体が見えた。電車は一秒でそこを通り抜けた。場所は久慈川、そして茂宮川を越えた後。きっとヤツらだ。
 動画から当たりを付けて現地へ。「恐竜? 学校の近くの公園にならあるかもしれない」。ご近所で聞いてもこんな答え。仕方ないので自分の勘を信じ、細い砂利道、さらにやぶを分け入り、線路沿いの茂みの奥へ進んだ。
 いた。ティラノサウルスは高さ一メートル余り。低木の葉に覆われていた。体は黒く、開いた口からはキバものぞく。まるで目の前を通り過ぎる電車を威嚇しているように見える。

茂みに潜むマンモス=いずれも日立市で

 マンモスも、そこから約五十メートル大甕側の林の入り口で見つかった。高さ二メートルほどの木の骨組みに、青いビニールテープを貼って作ったようだ。大きくそった長いキバも付いていた。
 少なくとも二十年、風雨にさらされ続けてきたためか、二体ともあちこちが傷んでいた。とはいえ、完成当時はなかなかの出来栄えだったことは今の姿からも見て取れた。
 そこで、改めて浮かぶのは「誰が、何のために」という疑問。土地の境界がはっきりせず、所有者が分からなかったこともあり、その答えにはたどり着けなかった。今後も機会をみて調べていく。
   ◇  ◇
 「突撃イバラキ」は随時掲載します。

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