音楽の力を世界のために ウクライナ出身歌手 三島でコンサート 日本人の応援に心から感謝

2022年5月22日 07時26分

音楽の力を信じ美声を響かせるオクサーナ・ステパニュックさん=三島市役所で

 ロシア軍の侵攻が続くウクライナ出身のソプラノ歌手オクサーナ・ステパニュックさん(44)は3月から全国各地でチャリティーコンサートを開き、母国の人々を支援している。今月、三島市役所で開いたミニコンサートの終演後、報道陣の取材に「音楽の力を、母国や世界のため役立てたい」と思いを語った。(渡辺陽太郎)
 オクサーナさんは十日、同市役所の玄関ロビーでウクライナ国歌や同国民謡、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」などを披露した。ソプラノより高い音域のコロラトゥーラソプラノの美声に涙を流す観客もいた。「世界が美しくあるように、音楽の力で見守りたい。日本人の応援に心から感謝します」。魅了された観客は次々と寄付をした。
 ウクライナのキーウ州スィニャワ村出身のオクサーナさんは国立音楽アカデミーなどで声楽と同国伝統の弦楽器バンドゥーラなどを学んだ。二〇〇三年に初来日し精力的に活動。いったん帰国後の〇八年に再来日し、現在は藤原歌劇団の正団員として活躍している。一一年の東日本大震災後からは、被災した子どもの支援プロジェクトを行っている。
 侵攻を知ったのは二月二十四日、母国にいる母との電話だった。「全国でチャリティーコンサートをやる。すぐ決意した」。全国各地を回り、県内では富士宮市でも歌声を響かせた。会場で寄付を募り、二日間で二百五十万円を集めたこともあった。「日本人は優しく、温かい人たちだと再認識した」と振り返る。
 ロシアの軍事行動に思うことはたくさんある。だが直接的な非難はしない。芸術家が発する言葉には力があると考えているからだ。「平和な国で生きたいという願い。命は大切だという思いを音楽の力で伝えたい」

次回は伊豆の国で

 県内での次回コンサートは六月五日、伊豆の国市の「アクシスかつらぎ」で行われる。市民による実行委員会主催で、収益はウクライナを支援する国連団体などに寄付する。
 午後零時半開場、同一時十五分開演。参加費千二百円(高校生五百円)。 

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