新品子ども神輿、3年ぶりに響いた「わっしょい!」 受け継がれる江戸っ子の心意気 浅草寿町1丁目町会

2022年5月22日 21時44分

元気よく神輿を担ぐ子どもたち=いずれも東京都台東区で

 3年ぶりに浅草神社(東京都台東区)の本社神輿みこしを担いで宮出し、宮入りが行われた三社祭では、子ども神輿の巡行も一部の町会で復活した。浅草寿町1丁目町会は40年以上前から使っていた子ども神輿を新調。町会内に神輿を担ぐ子どもたちの威勢のいいかけ声が響いた。同町会の大熊俊夫会長(73)は「感無量。子どもの笑顔があってこその祭りだ」と目を細めた。

◆町会70周年に合わせた新調計画がコロナ禍で…

 「わっしょい!わっしょい!」。神輿が上下に揺れるたび、真新しい金色の装飾がキラキラと太陽の光を反射した。子どもたちの笑顔も輝き、わずか30分ほどの巡行でも街はお祭りムードに包まれた。初めて神輿を担いだ小学2年金野たける君(7)は「重かったけど、かっこいい神輿を担げて楽しかった」と話した。
 子ども神輿の新調は、同町会が2020年に発足70周年を迎えるのに合わせて計画した。地元で作った神輿を子どもたちに担がせたいと、大人神輿を作った宮本卯之助商店(浅草6)に、意匠はそのままにサイズを小さくした神輿の製造を依頼した。
 同社は本社神輿を手掛ける祭礼用品の老舗で、宮内庁御用達でもある。ただ複雑で精巧な装飾を小さくするのは熟練の職人でも難しいといい、彫刻や飾り金具など細部にまでこだわるため何度も打ち合わせを重ねた。そんな中、20年春、新型コロナ感染拡大で三社祭の延期が決定。神輿の新調計画は中断した。

◆宮内庁御用達の職人が作る精巧な竜飾り

 「いつまでも中断しているわけにはいかない」。大熊会長らは21年の年明けに新調計画の再開を決めた。同年12月、高さ約1メートル、重さ45キロ、大人神輿の4分の1ほどの大きさの子ども神輿が完成した。

新調された浅草寿町1丁目町会の子ども神輿

 「ここまでコンパクト、かつ忠実に作ったのは、ここ数十年で初めてかもしれない」と同社担当者。美しい曲線の唐破風型の屋根や精巧な竜の装飾などが施された新しい神輿は「大人神輿と並べると、まるで親子のよう」と大熊会長も満足の出来栄えだ。
 大熊会長は「神輿を担いだ思い出が地元を愛する心につながる。祭り好きの江戸っ子の心意気が伝わればうれしい」。新しい子ども神輿が三社祭を受け継ぐ子どもたちを育てていく。(西川正志)

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