ゼレンスキー大統領「侵攻前まで領土戻せば勝利」 停戦協議は頓挫、クリミア半島の奪還を棚上げ

2022年5月23日 20時28分
ウクライナのゼレンスキー大統領(AP)

ウクライナのゼレンスキー大統領(AP)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、東部と南部で占領地域の拡大を期すロシア軍を2月の侵攻開始前のラインまで押し戻せば「ウクライナ側の勝利だ」と述べた。侵攻から24日で3カ月。停戦協議が頓挫する中、ロシアが2014年に併合した南部クリミア半島と、親ロ派武装勢力が支配する東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスクの2州)の一部の奪還を当面棚上げする方針を示した。
 ゼレンスキー氏は地元テレビのインタビューで、ロシア側に占領されたすべての土地を取り戻すのは「簡単ではない」とし「重要なのは、命を惜しまず戦うウクライナ軍人の犠牲を減らすこと。今、貪欲になるべきではない」と述べた。
 ロシア軍は首都キーウ(キエフ)攻略の失敗後、ドンバス全域の制圧を急いでおり、親ロ派勢力の自称国家「ルガンスク人民共和国」は、20日時点でルガンスク州の95%がロシア側の支配下にあると主張。ドネツク州でもロシア軍は港湾都市マリウポリを掌握し、ウクライナ軍の全面的な反転攻勢は難しい状況だ。
 戦闘の長期化を見据え、ウクライナ最高会議(議会)は22日、戒厳令と総動員令を8月23日まで90日間延長することを承認した。ゼレンスキー氏は「東部で1日に50~100人が亡くなる難しい状況だ」と述べて理解を求めた。
 一方、ウクライナ第2の都市である東部ハリコフ周辺では、ロシア軍がほぼ国境近くまで押し戻された。侵攻開始時に、プーチン大統領が制圧に意欲を示していた南部の港湾都市オデッサは、ロシア軍が近づけない状況が続いている。
 ロシアは占領下にある東部、南部でロシア語教育やロシア通貨ルーブルの流通を強制するなど「同化政策」を進めている。

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