一番茶を狭紅茶に 狭山工高3年生が技術生かし開発 パリの日本茶品評会で入賞狙う

2022年5月24日 07時33分

手もみした茶葉を自作の発酵器に収める生徒

 授業で習得した工業技術を地元で盛んな製茶に生かそうと、県立狭山工業高校(狭山市)電子機械科の3年生10人が、「課題研究」の教科で狭山茶を使ったオリジナル紅茶の開発に取り組んでいる。「いい商品ができると思う」と手応え十分で、秋ごろパリで開かれる日本茶の品評会にも出品予定だ。(武藤康弘)

◆6年目のプロジェクト

 今年で六年目となる同校の「狭紅茶(さこうちゃ)プロジェクト」で、市内の生産農家「横田園」の協力を得て取り組んでいる。生徒らは二十日に同園の茶畑でべにふうき種の茶摘みをし、二十一日は茶葉を手もみした後、発酵器に茶葉を入れて一時間ほど発酵を促した。無発酵茶の緑茶にはない工程で、時間の長短で味の濃淡を調整できるという。改良を重ねてきた発酵器は稼働中に湿度100%、温度二八度を保てるようになっている。

発酵工程を終え、薄茶色になった茶葉の香りを確かめる生徒ら=いずれも狭山市の狭山工高で

 二〇二〇、二一年度の三年生が完成させた紅茶はティーバッグに仕上げ、パリで開かれた日本茶の品評会「ジャパニーズティー・セレクション・パリ」に出品。二一年度は入賞にあと一歩までこぎ着けた。
 今年も二種類を出品する予定といい、担任の原嶌(はらしま)茂樹教諭は「横田園のご厚意で初めて一番茶を使わせていただいたこともあり、十分賞を狙える」と自信を示す。また、同教諭は「プロジェクトでさまざまな年代の人と接することで、コミュニケーション能力も伸ばしてほしい」と生徒の成長にも期待する。
 農工業の作業を同時に体験してきた生徒たちにも充実感が漂う。下斗米(しもとまい)颯太さん(17)は「手もみするうちに、いい香りが上がってくるのが分かった。やはり一番茶は格別。きっといい商品ができると思う」と目を輝かせた。ティーバッグの包装デザインも生徒たちが担当する。
 今年の「狭紅茶」は七月に完成発表会を予定。市内の各種イベントで試飲機会があり、一部は販売も検討している。

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