史上初!3校連合が県大会で優勝 結成は直前、手話で団結 高校軟式野球 大宮ろう、浦和ルーテル、慶応志木

2022年5月24日 15時00分
 高校軟式野球の春季埼玉県大会で、大宮ろう学園(さいたま市北区)、浦和ルーテル学院(同市緑区)、慶応志木(埼玉県志木市)の3校連合が初優勝した。部員が9人に満たない学校による連合チームの優勝は同県大会では史上初の快挙。26日から始まる関東大会(神奈川県)に向け、選手らは「100%の力を出して、いい思い出を残したい」と意気込んでいる。(杉原雄介)

関東大会前ラストの合同練習では、熱のこもったプレーが随所で見られた=22日、慶応志木高校で

 メンバー構成は大宮ろう7人、慶応志木6人、浦和ルーテル3人。以前から連合チームを組んでいた大宮ろうと浦和ルーテルに、部員数が減少した慶応志木が加わった。チーム結成は県大会1カ月前の3月だったが、積極的にコミュニケーションを取り合い、短期間で信頼関係を築いた。
 練習では、大宮ろうの選手に声で指示を伝えるのが難しいため、守備でフライを捕る時などは交錯しないよう他校の選手も大きな身ぶり手ぶりで意思を伝達。全員でハンディをカバーし、チームとしての結束を強めていった。
 3校連合の主将で大宮ろうの武内優也選手(3年)は、「いいね」などの簡単な手話を他校の選手に教えて交流。「『手話を覚えたい』と興味を持ってくれてうれしかった」と笑顔を見せる。慶応志木の中島銀志選手(2年)は「最初は緊張したけど、大宮ろうの選手たちが『キャッチボールやろう』と話しかけてくれたのがきっかけで打ち解けられた」と話した。
 合同練習の機会は限られており、指揮を執る慶応志木の松田恒尚監督(55)は、県大会で「1回勝てたらいいなくらいの気持ちだった」と明かす。ところがチームは初戦、2回戦と勝ち上がり、続く準決勝では昨秋王者の浦和実業に九回逆転サヨナラ勝ち。花咲徳栄との決勝は初回に2点を先制されたが、六回に一挙5得点で試合をひっくり返し、頂点に立った。県大会には3校連合チームを含む9チームが出場した。

県大会で優勝し、関東大会に挑む3校連合の選手たち=22日、慶応志木高校で

 選手たちが快進撃の原動力に挙げるのが「明るい雰囲気」だ。打線の中軸を担う中島選手は「ベンチが常に『頑張れ』と応援してくれるから、勢いが生まれた」といい、エース右腕で浦和ルーテルの小林雄一郎投手(3年)も「失点しても、みんなが諦めずに声を出しているのを見ると『点を取ってくれるはず』と安心して投球できた」と感謝する。武内主将は「最初は実感がなかったが、だんだんと『時代を変えたのかな』という思いが湧いてきた」と喜びをかみしめる。
 夏の県大会では慶応志木が単独での出場を予定しており、3校連合で臨むのは関東大会が最後となる。「チームの解散は寂しいが、悔いのないプレーをして野球を楽しみたい」と武内主将。仲間との経験を一つでも多く心に刻もうと、闘志を燃やしている。
 関東大会には1都6県から16校が参加。埼玉からは3校連合と花咲徳栄が出場する。

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