岸田首相の核政策、被爆者「矛盾している」 広島G7サミット表明の一方、米国の「核の傘」強調

2022年5月24日 19時39分

23日、バイデン米大統領と日米共同記者会見を行う岸田首相=東京都港区の迎賓館で(代表撮影)

 岸田文雄首相は23日の日米首脳会談で、来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を戦争被爆地の広島市で開く意向を表明して核軍縮への意欲を強調する一方、バイデン米大統領と米国の「核の傘」を含む拡大抑止の重要性を確認した。方向性が異なる主張を展開する首相に対し、被爆者からは「矛盾している」との声が上がった。
 「武力侵略も核兵器による脅かしも国際秩序の転覆の試みも、断固拒否するという意思を示したい」
 首相はバイデン氏との共同記者会見で、日本が議長国を務める来年のサミットを広島で開催する理由をそう説明した。
 ロシアがウクライナを侵攻し、核兵器使用の可能性をちらつかせたことを踏まえて「核兵器の惨禍を人類が2度と起こさないとの誓いを世界に示したい」と表明。共同声明には「核兵器のない世界」に向けた協力も明記した。
 その一方で、中国や北朝鮮を抑止するための日米同盟の強化の一環として、米国の「核の傘」で日本を守る重要性を共同声明で強調した。「核兵器のない世界」を唱えながら、米国の核への依存を強める首相の姿勢には被爆者から疑問の声が上がる。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の児玉三智子事務局次長(84)は「広島でサミットを行うなら日本は核の傘からの離脱を考えなければならない。被爆国の首相としてどういう方向に向かっているのか」と批判。6月に開催される核兵器禁止条約の締約国会議に日本もオブザーバー参加すべきだと訴えた。(村上一樹)

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