対中包囲網「大きな意義」と岸田首相が強調 日米豪印首脳会合 インドに配慮、ロシア名指し非難せず

2022年5月24日 21時33分

一同に会した日米豪印首脳 =首相官邸で

 日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合が24日、首相官邸で開かれた。インド太平洋地域で軍事的な緊張をもたらしている中国をにらんで「現状を変更し、地域の緊張を高めようとする威圧的、挑発的、一方的な行動に強く反対する」とする共同声明を発表。ロシアのウクライナ侵攻に関しては、軍事的なつながりが深いインドに配慮し、直接的な非難を避けた。(山口哲人)
 共同声明では、中国の海洋進出や東・南シナ海での軍事拠点化を念頭に、法の支配、民主的価値、航行・上空飛行の自由などを列挙した上で「いずれもインド太平洋地域及び世界の平和、安定などに不可欠な原則」と明記。力による一方的な現状変更を許さないという認識で一致した。
 議長を務めた岸田文雄首相は記者会見で「特定の国を対象にしたものではない」としつつも、中国に対抗する内容の共同声明について「4カ国の首脳がメッセージを一致して世界に発信できたことは大きな意義がある」と述べ、対中包囲網の成果を強調した。
 会合には首相のほか、バイデン米大統領、オーストラリアのアルバニージー、インドのモディ両首相が出席。発展途上国が抱える中国からの過剰債務問題を踏まえ、「債務の持続可能性と透明性を促進することにより、問題に対処する必要がある国々の能力強化に取り組む」と確認。中国が経済的な影響力を強めるのを防ぐ狙いで、インド太平洋地域のインフラ整備で今後5年間に500億㌦(約6兆3800億円)以上の支援や投資をする方針を共有した。
 ウクライナについては「悲劇的な紛争が激しさを増す」と表現し、人道危機が進行中だという認識も示したが、ロシアへの名指し批判をしなかった。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対しては、挑発行為を控えて実質的な対話に応じるよう求めた。
 対中抑止政策を巡っては、バイデン氏が23日の記者会見で、台湾有事への軍事介入について「それがわれわれの約束だ」と明言。米軍の対応を明確にしない「あいまい戦略」の修正を示唆している。

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