「この国では戦争準備着々」…安保法違憲訴訟 憲法判断踏み込まぬ判決に原告側いらだち

2022年5月24日 22時30分

東京高裁が入る裁判所合同庁舎=東京・霞が関

 安保法を巡って全国でこれまでに出た判決と同様に、東京高裁は憲法判断に踏み込まなかった。原告側弁護団は判決後の記者会見で「安保法を違憲としない判決が積み重ねられることで、この国では戦争の準備行為が着々と進んでいる。裁判所は人ごとだと思って判決を出していないか」と批判。上告する考えを明らかにした。
 原告側は、政府が憲法9条の解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にしたのは実質的な憲法改正で、国民が憲法改正を決定する権利の侵害だと主張したが、判決は「憲法解釈を変更して立法化するか、立法化に先立ち憲法改正を発議するかという判断は国会の専権に委ねるべきだ」とした。
 この点に、弁護団の伊藤真弁護士は「国会といえど、憲法に違反した法律を立法する専権はない。法律が憲法に違反していないかを判断するのが裁判所の役割なのに、判断を避けたいがあまり不自然な理屈になっている。国会に問題を押しつける責任逃れの判決だ」と指摘した。
 棚橋桂介弁護士は、安保法による国民の「具体的な危機の切迫」を高裁が認めなかったことに、「裁判所は『人が死んでからいらっしゃい』と言っているに等しいが、それでは遅い」と訴えた。(小沢慧一)

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