千代田区イチョウ 工事着手1カ月 住民、夜通しで座り込み 伐採進まず長期化も

2022年5月25日 07時05分

イチョウを保存したまま整備するよう求めている住民らは夜通し、木の下に座り込んでいる。25日で着手から1カ月となる=千代田区で

 千代田区による区道「神田警察通り」の整備に伴うイチョウ伐採計画は二十五日で工事着手から一カ月となる。伐採を予定する三十本のうち区はこれまでに二本切ったが、以降は保存を求める住民が夜通しで木の下に座り込んで抗議しており伐採は進んでいない。事態は長期化の様相を呈している。(井上靖史)
 「地域に亀裂も生じ、私たちは来年の神田祭に出られないかもしれない」。工事区間から数十メートルの場所に住む後藤悦子さん(68)は、覚悟を決めて座り込みに参加しているという。
 イチョウを保存したまま道路整備するよう求める住民グループ「神田警察通りの街路樹を守る会」の仲間と工事時間の午後八時から翌朝六時までシフトを組み、交代で木の下に座り込んでいる。ただメンバーは高齢者も多く、事故などを心配する声もある。
 住民たちは区が伐採について十分な説明をしてこなかったことをとりわけ問題視している。
 沿道整備推進ガイドラインでは「既存のイチョウを活用する」と明記されていたが、区は区議会で改定したことを明らかにし、これに意見公募もなかった。
 住民説明会の開催は昨年十二月で、工事契約後だった。紛糾の末にイチョウを保存したまま整備した一期工事の際、区は「今後は地元と意思疎通を図る」と約束したが果たされなかった。
 区は抗議に対し伐採の構えを崩さない。三本目以降を切らない理由を須貝誠一・区基盤整備計画担当課長は「(住民が木の下にいて)安全を確保できないから」としており、住民がこの場所を離れれば工事を進めるとの考えを示している。
 工事を巡る契約や手続きに瑕疵(かし)があるとして住民監査請求が出され、その請求中に伐採したことへの損害賠償請求訴訟も起こされているが、須貝氏は「方針に影響はない」「訴状は見ていない」と述べている。

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