原発処理水の海洋放出に向けた工事「事前了解しないで」 福島の市民団体が福島県に要請

2022年5月25日 19時05分
織田千代さん(中央)は知事宛ての要請書を読み上げ、原子力安全対策課の担当者に渡した=福島県庁で

織田千代さん(中央)は知事宛ての要請書を読み上げ、原子力安全対策課の担当者に渡した=福島県庁で

 東京電力が福島第一原発の汚染水を浄化処理後も主に放射性物質トリチウムが残る水を海洋放出する計画を巡り、福島県民らでつくる「これ以上海を汚すな!市民会議」は25日、福島県に漁業関係者や県民の理解や合意が得られないまま、放出に向けた設備工事の事前了解をしないよう申し入れた。東電の福島復興本社(福島市)にも、工事をしないよう要請した。
 海底トンネルなど放出設備の着工には、原発がある福島県と大熊、双葉の2町の事前了解が必要となる。
 共同代表の織田千代さん(67)は「漁業者をはじめ県民の反対の声を無視して、東電は事前了解の必要のない場所から海洋放出の事前工事を進めており、多くの福島県民が不信感を抱いている」とし、県には政府や東電に対して全国で説明・公聴会の開催を求めるよう訴えた。
 知事への要請書では、政府の放出方針決定は、政府や東電が県漁連にした「関係者の理解なしに(処理水を)処分しない」という約束のほごだと批判。政府と東電に約束を順守させ、放出水の全情報公開、放射線影響評価や安全確認の徹底、汚染水対策の確立が実現されるまでは事前了解しないよう求めた。(片山夏子)

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