「戦争は過去のものにならず」 ウクライナに思いはせ、体験語り継ぐ 横浜大空襲77年

2022年5月26日 07時15分
 推定約八千人の死者を出した太平洋戦争末期の横浜大空襲から二十九日で七十七年を迎える。節目に合わせ、ロシアの侵攻に苦しむウクライナにも思いをはせながら、平和な現在・未来を願う催しが二十八日、市民たちの手で企画されている。(杉戸祐子)
 一九九六年から市民の手で受け継がれてきた「平和のための戦争展inよこはま」。中学生の時に大空襲から逃げ延びたNPO法人神奈川県日本ユーラシア協会顧問の柴田順吉さんが、当時の体験と、戦渦の広がるウクライナ・オデッサ市について語る。大空襲をテーマにした演劇作品を上演してきた劇団「横浜夢座」座長五大路子さんの講演もある。
 今年は沖縄の本土復帰五十年の節目にあたり、市立日吉台中学校演劇部の生徒約二十人が、四五年三〜六月の沖縄戦で少年兵によるゲリラ部隊「護郷隊」に動員された同世代の少年たちの体験を、朗読劇で上演する。
 証言を集めた書籍や記録映画などから台本を手掛けた指導員山田容弘さん(63)は「今の中学生は全く知らない時代の話。こんなことがあったのかと一緒に勉強して当時のことを想像し、語り継ぐ気持ちになってくれたら」と語る。
 実行委員会事務局の吉沢てい子さん(72)は「七十七年たっても戦争は過去のものにならず、今ウクライナで現実に起きている。戦争はいったん起きたら簡単には終わらない。悲劇を繰り返さないよう、戦争を起こさないための私たちの努力が問われている」と話す。
 同展は午後一時半〜四時、横浜市中区の関内ホール、資料代八百円(高校生以下無料)、二百六十四席に先着順。
 問い合わせは実行委員会=電090(8726)5227=へ。

◆家族の視点から描いたドキュメンタリー 映画「スズさん」横浜で28、29日上映

小泉スズさん(左端)一家 ©「スズさん」製作委員会

 横浜市中区の「横浜シネマリン」では28、29日に、ある家族の視点から横浜大空襲を描いたドキュメンタリー映画「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」が昨年に続いて上映される。
 八幡温子支配人は「こうした時期だからこそ、平和がいかに大切かということを、もう一度考えるきっかけにしてほしい」と語る。
 横浜市の農家に生まれた小泉スズさんが主人公。当時のニュース映像や写真に、スズさんの長女で「昭和のくらし博物館」(東京都大田区)館長の和子さんの証言映像を加えて製作された。作中には戦後、スズさんが炊事や裁縫などの家事をする映像が含まれ、市井の暮らしぶりも伝える。
 料金は大人1800円。両日とも、大墻(おおがき)敦監督の舞台あいさつがある。問い合わせは、横浜シネマリン=電045(341)3180=へ。(酒井翔平)

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