洞峰公園 県整備に待った! グランピング、バーベキュー施設は変更を つくば市長ら計画に反発

2022年5月26日 07時17分

親子連れらでにぎわう洞峰公園=いずれもつくば市で

 うっそうとした樹林に囲まれた県営洞峰(どうほう)公園(つくば市二の宮)の静寂が、県の新たな整備計画によって破られている。キャンプ施設やバーベキュー場などを新設する計画に市が反発、県は「利用者の声を聞く」と歩み寄りをみせたが、具体的な協議はこれからだ。近隣住民からは有識者を交えた計画の再検討を求める声も上がる。(林容史)

◆難色

 発端は今年三月、五十嵐立青市長のツイッターでの発信。「親子が元気に、あるいはゆっくり過ごす空間や、静かな散歩やランニングコースとして定着している」と、整備計画に難色を示したのだ。
 県は二〇二一年、公園の魅力アップや維持管理費の削減を目的に、民間資金を活用して整備・運営する「パークPFI」の事業者を募集、四社によるグループを選定した。集客施設の収益を公園の維持管理に充てることで、県の財政負担が軽減されるとしている。県都市整備課によると、二一年度の維持管理費は一億五千万円だったが、二二年度は八千八百万円まで削減できるという。
 事業計画によると、手軽に豪華なキャンプ「グランピング」を楽しめる十八棟の施設や、バーベキューガーデンを新たに造る。ドッグラン、カフェ、トレーニングジムも設置し、テニスコートの増設や駐車場の拡張も進める。
 これに対し、五十嵐市長は四月十三日の記者会見で「文教地区にキャンプ施設を造る妥当性は低い」と述べ、グランピングやバーベキューの施設について、飲酒や煙などの問題を挙げて「懸念されている部分は変更を求める」と述べた。

◆軟化

 大井川和彦知事は当初、計画変更に否定的だったが、今月十二日の記者会見では「公園のあり方について市としっかりと話し合わなければいけない。市以外の人の声を聞く必要もある。さまざまな声を聞きながら進めていく」と態度を軟化させた。
 五十嵐市長は翌十三日の記者会見で、「利用者の声を広く聞くことで県と合意した」と発表。「アンケートや説明会という形もある」と手法を提案した。ただ、県は、声を聞くのは「利用者」ではなく「県民」としており、受け止め方に食い違いもある。
 公園の周辺住民五人でつくる「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」は同日、利用者や地域住民、近隣団体、有識者などを交えた協議会の設置を求め、二千百九筆の署名を添えて知事宛てに要望書を提出した。景観や生態系への影響、騒音などについて調査、議論し、必要なら計画を見直すのが目的だ。
 代表の会社員木下潔さん(61)は「オープンに議論できる場を持ちたい。愛され続ける公園として次世代に引き継ぎたい」と訴える。

◆要望

 親子連れらでにぎわう日曜日の園内で聞いてみた。
 以前、近くに住んでいたという市内の女性会社員(44)は、整備計画には賛成でも反対でもなく「成り行きを見守る」。天気の良い休日は駐車場に入れない車で周辺道路が渋滞するため、「まず駐車場を増やして」と要望する。
 月一回ほど家族で遊びに来る市内の男性会社員(40)は「計画を知らなかった」と驚く。社内でも話題に上ることはなかったという。グランピング施設には「興味はある」と話した。
 キャンプが趣味という牛久市の会社員中川誠さん(48)は「グランピングはやらないから利用しない。バーベキューも、何もここでなくても」と首をひねる。アウトドアブームでルールを守らない人が増えていることを心配し、「ごみ、騒音、たき火などしっかり管理しなければ」と注意を呼び掛けた。
 つくば市の団体職員の女性(30)は開口一番、「超反対」。子どもが生まれて公園に来る機会が増えたといい、「きれいな公園と静かな環境を壊してほしくない。土地ならほかにいっぱいあるのに、ここに造る必要はない」と訴えた。
<県営洞峰公園> 1980年開園。つくばエクスプレス(TX)つくば駅から2.5キロほど南東に位置し、周囲は住宅や店舗、研究施設など。約20ヘクタールの敷地には洞峰沼を囲んで樹林が広がり、園路や広場が整備されている。テニスコート、体育館、温水プール、野球場がある。2020年度の有料施設の利用者数は約18万人。キャッチフレーズは「緑と水のオアシス」。

グランピング施設などの整備が予定されている野球場


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