<社説>北ミサイル発射 日米韓協力で対話促せ

2022年5月26日 07時45分
 北朝鮮がミサイルを相次いで発射した。国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているにもかかわらず、挑発行動に出るのは理解しがたい。日米韓三カ国は協力をより緊密にし、挑発をやめるよう対話を促す必要がある。
 発射は今年十七回目で、過去にない高い頻度だ。韓国軍によると今回、大陸間弾道ミサイル(ICBM)も含まれていた。
 北朝鮮は北東部にある豊渓里(プンゲリ)核実験場の坑道の復旧を終え、いつでも実験を実施できる状況にもある。実験は核弾頭の小型化を図るものと推定される。成功すればミサイルへの核弾頭の搭載が可能となり、脅威が格段に増す。
 韓日の順に歴訪したバイデン米大統領は尹錫悦(ユンソンニョル)大統領、岸田文雄首相との会談で北朝鮮への抑止力強化をそれぞれ確認した。抑止力には北朝鮮が核兵器を使用した場合、核による反撃も含まれる。
 また、日米豪印四カ国による協力枠組み「クアッド」の首脳会合でも、北朝鮮の完全な非核化に向けた連携で一致した。
 今回の発射はバイデン大統領が帰国した直後だった。一連の外交日程をにらみ、北朝鮮の軍事力を誇示する狙いがあったのだろう。国連安全保障理事会の決議違反であり、許されない挑発行動だ。
 北朝鮮国内ではコロナ感染が拡大しており、軍事的挑発よりも感染症対策に力を注ぐべきだ。
 北朝鮮では検査キットや解熱剤が不足しているとされる。国民には塩水で口をすすぐ、しょうが湯を飲む、などが奨励されているというが、そうした民間療法で感染症の拡大が抑え込めるのか。
 国際社会が支援を申し出ているにもかかわらず、北朝鮮指導部は応じていない。国民の健康を軽視しているというほかない。
 日米韓は、コロナ問題を機に北朝鮮に対話を呼びかけるなど、外交努力を尽くしてほしい。
 韓国軍と在韓米軍は北朝鮮のミサイル発射に対抗し、地対地ミサイルの発射訓練を行った。軍事的圧力を強めるだけでは事態を悪化させるだけだ。米韓はじめ関係国には抑制的な対応を求めたい。

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