衆院憲法審の要旨(2022年5月26日) 自民「参院選で合区は解消する」 立民「権限見直す議論を」

2022年5月26日 20時29分
 衆院憲法審査会が26日に開かれ、参院選の「合区」問題などについて議論した。各会派代表による意見表明の要旨は次の通り。

国会議事堂

 新藤義孝氏(自民) 国民の代表を選ぶ選挙区の設定は、投票価値の平等の追求と、地域の民意の反映とのバランスを考慮することが必要だ。自民党の(改憲4項目の)たたき台素案では、基礎的な地方公共団体と、これを包括する広域の地方公共団体を明確に位置付ける。参院選で広域の地方公共団体の区域を選挙区とする場合、改選ごとに少なくとも1人を選挙すべきとし、(隣接県を1つの選挙区とする)合区は解消する。選挙区の設定は総合的に勘案し、人口のみに偏らないことにしている。
 奥野総一郎氏(立憲民主) 自民党改憲案が成立すると、合区はなくなるが(投票価値の平等を追求するため)定数を増やす憲法上の義務が生じる。定数を増やさずに、都道府県単位の選挙区を残して合区を解消することはできない。参院の性格を明確にし、権限を見直す議論が必要になってくる。合区の解消は必要だ。そして、地方の声を積極的に国会に送るべきだと考える。だが、一票の格差を無視するべきではない。合区見直しを本当にやろうとするのであれば、統治機構の改革が論点になる。
 小野泰輔氏(維新) わが党の憲法改正原案では、基礎自治体を包括する広域自治体として道州制を明記している。地域主権を掲げ、現行憲法に記されていない、「地方自治の本旨」の内容として、(地方行政を住民の意思に基づいて行う)住民自治と(国から独立して地方行政を行う)団体自治も明記している。法律で道州が所管すると定めた事項については、道州が定める条例が国の法律に優先する旨規定している。
 吉田宣弘氏(公明) 憲法改正における国民投票は、国民の自由な意思に基づかなければならない。現代情報化社会では、意図的に流されたフェイクニュースの存在、人工知能(AI)の登場で、国民の自由意思の前提たる人権が侵害されかねない。政治的に利用された場合、選挙や国民投票の公正性が脅かされ、民主主義に悪影響を及ぼす恐れがある。人権保障の観点から、ネット広告は無制約というわけにはいかない。
 玉木雄一郎氏(国民民主) わが党は地方自治に関する改正案の素案をまとめている。現行92条の「地方自治の本旨」から導かれる概念、住民自治と団体自治を明文で規定する。(首長と議会議員を選挙で選ぶ)二元代表制を一律に強制するのではなく、自治体が多様な組織形態を採用できるようにする。自治体が課税自主権を有することを特記し、地方債などの固有財源、国の財政調整制度も明記している。
 赤嶺政賢氏(共産) 日米安保体制の下、自衛隊は米軍の軍事戦略を補完するために存在している。敵基地攻撃能力保有の検討も米国との調整の下で進められている。ウクライナ危機に乗じて、9条改憲が議論されているが、主権国家として自衛隊を明記し統制するというのは幻想にすぎない。米軍の存在を抜きに、憲法に自衛隊を明記するだけで自衛権の範囲や防衛力の質は変わらないなどという議論は成り立たない。
 北神圭朗氏(有志の会) 国と自治体の役割を憲法上明らかにすることも必要だ。国は外交、国防、マクロ経済運営、社会保障などを担当し、地方は都市計画など公共財提供を担当するなどだ。仕分けの順序として、小さい自治体からできることは任せ、できないことをより大きな自治体、それでもできない仕事を国が担う方法が地方自治の理念に沿っている。この「補完性の原理」は憲法に明示することが求められる。

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