受領の500万円を賄賂と認定「規範意識低い」 東京地裁が吉川元農相に有罪判決 安倍政権閣僚で3人目

2022年5月26日 19時28分
2018年11月12日、農林水産省の大臣室で吉川貴盛農相(右)に要望書を渡すアキタフーズの秋田善祺元代表(左)

2018年11月12日、農林水産省の大臣室で吉川貴盛農相(右)に要望書を渡すアキタフーズの秋田善祺元代表(左)

 鶏卵業者から現金500万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた元農相で元衆院議員の吉川貴盛被告(71)の判決で、東京地裁(向井香津子裁判長)は26日、現金全てを賄賂と認定した上で「農林水産行政の職務の公正さに対する国民の信頼を大きく害した」として、懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金500万円(求刑懲役2年6月、追徴金500万円)を言い渡した。
 公判で吉川被告は「政治活動の応援として受け取った」と賄賂性を否定し、現金の趣旨が争点だった。
 判決は、鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県)の秋田善祺元代表(88)=贈賄罪などで有罪確定=が宴席で、吉川被告をトイレ付近まで追いかけてポケットに200万円をねじ込むなど「特異な態様で供与された」と言及し、何らかの期待や意図が含まれることを被告は理解していたと指摘。政治資金収支報告書に記載もなく、賄賂の認識があったと認定した。
 大臣就任前から現金を受け取っており、今回も政治献金だと思ったという主張には「一般的な常識からかけ離れた弁解」と一蹴。「政治家として規範意識が低い」と批判した。
 判決によると、吉川被告は国際機関が示した飼育環境の厳格化案に反対するなど業界への便宜を期待する趣旨があると知りつつ、農相在任中の2018年11月~19年8月、東京都内のホテルや大臣室で3回、現金計500万円の賄賂を受領した。
 吉川被告は「主張が受け入れられなかったことは誠に残念。判決内容を精査し、弁護人とも協議の上で適切に対応したい」とコメントを出した。
 安倍晋三元首相の政権下の大臣経験者で東京地検特捜部に立件され、有罪判決や略式命令を受けたのは、19年の参院選広島選挙区の買収事件で、公選法違反罪で懲役3年の実刑が確定した河井克行元法相(59)と、地元有権者に現金を配り、同法違反罪で罰金40万円の略式命令が確定した菅原一秀元経済産業相(60)に続き三人目。(小沢慧一)

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