4人暮らしのはずが…5人目の死者、三男か 謎深まる東村山の火災 直前に「放火焼身心中」とメッセージ

2022年5月27日 06時00分

解体作業中に新たに1人の遺体が見つかった火災現場の住宅=東京都東村山市で

 東京都東村山市で一家4人が死亡した火災があった住宅で、火災発生から半月がたった24日、解体作業中に新たに成人とみられる1人の遺体が見つかり、死者は計5人となった。警視庁が26日に遺体を司法解剖したところ、死後1年以上たっていたことが判明。連絡が取れていない三男の可能性があるが、特定には至っていない。「4人暮らし」だったはずの住宅で何があったのか。(山田雄之、榊原大騎)

◆「普通の火事だと思ってた…」

 「最初は普通の火事だと思っていたけど、いろいろな話が出てくるね。気持ちが落ち着きませんよ」。近所の男性(75)は火災現場に不安げな視線を送った。
 火災は9日未明に発生。2階建て住宅が全焼し、いずれも職業不詳の父親(65)と母親(64)、次男(36)、四男(26)が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した。警視庁幹部は当初、「もともと夫妻と息子4人の6人で住んでいたが、今は4人暮らし」と説明。住民らは取材に「一家でこんな災難に遭うなんて…」と悼んでいた。
 だが、警視庁が10日に現場検証すると、失火でなかった可能性が浮上する。火元の1階玄関や4人の着衣、玄関に積まれていた衣類の山から、灯油のような成分を検出。たばこを吸わない父親の服からライターも見つかった。
 さらに出火直前には一家の名字で、警視庁本部宛てに「放火焼身心中」とメッセージが送られていたことも判明。捜査幹部は「家族一同、覚悟の上でのことだったのでは」と一家心中との見方を示していた。

◆焼け跡で毛布にくるまれ…

 「お金に苦労していたのかもしれない」と漏らすのは大家の男性(47)だ。父親から2020年秋、「足をけがして働けなくなったので、家賃を下げてくれないか」と頼まれたという。値下げに応じたが、今年4月には支払いが初めて遅れた。「こんなことになり、心苦しい」とつぶやいた。
 そんな中、住宅1階の洋室から見つかった新たな遺体。警視庁によると、遺体を見つけたのは住宅の解体作業員で、遺体は毛布にくるまれていたという。目立った外傷はなかった。
 「4人暮らし」としていた警視庁幹部は「現場検証では火元を中心に調べた。別の部屋に遺体があるとは想定外だ」と驚きを隠さない。別の場所で暮らす長男は「三男とは5、6年連絡が取れていない」と説明しているといい、捜査幹部は「火災が一家心中だったとしたら、遺体がその動機に関わっている可能性がある」とみる。
 近くの60代女性は「福祉に相談するとか、方法はなかったんでしょうか」とぽつり。近年は疎遠だったが、十数年前には夫妻と話すこともあったという50代男性は「もっと付き合っていれば、相談してくれていたのかな」と悔やんだ。

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