市民参加のパワフル発電 千葉・柏に「発電所」 人と人つながり生む場に

2022年5月27日 07時03分
 市民参加型の発電拠点「柏そらぴか発電所」が6月1日、千葉県柏市でスタートする。障害者支援施設の屋上に太陽光パネルを設置し、生まれた電気を施設と電力会社に売る。工事費はパネルオーナーからの出資金と寄付で賄う。施設側は工事費負担がなく、災害時にはミニ電力基地として地域に貢献できる。「エネルギーの自治を目指す」と関係者の志は高い。

【太陽光パネルに出資】 太陽光パネルの横に立つ(左から)銀座環境会議の平野将人理事、彩会の川名早苗さん、平山隆理事長=いずれも千葉県柏市で 

 事業を進めるのは一般社団法人「銀座環境会議」(千葉県松戸市)。代表理事の平野将人さん(47)は、国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター」職員としてラオスに駐在、少数民族の権利保護のために働いた経歴を持っている。
 二〇一八年に帰国後は「ラオスのような助け合いの社会をつくりたい」と、松戸市を拠点に子ども食堂などの地域活動に取り組んできた。
 さらに「環境問題もお上まかせにはしたくない」と市民発電所を企画。昨年、第一号を松戸市内につくった。今回、スタートする「柏そらぴか発電所」は第二号の市民発電所となる。
 障害者の支援施設「ザザビー・ドゥ」(社会福祉法人彩会、柏市増尾)が新築した鉄筋2階建ての建物の屋上を提供してもらい、太陽光パネル四十枚を設置。
 一年間で得られる見込みの約一万六千キロワット時(四人家族三世帯分の消費量)の電力を同施設に購入してもらい、余った電力は電力会社に売る。太陽光パネル代や工事費など約三百二十万円は、パネル一枚五万円でオーナーを募り、さらにクラウドファンディング(CF)で集めた寄付を充てる。災害時には周辺住民が携帯電話の充電をできるように施設を開放する。

【障害者施設屋上に設置】 屋上に太陽光パネルが設置された障害者施設「ザザビー・ドゥ」

 彩会は施設を新築するにあたって、もともと環境保護のために太陽光パネルの設置を考えていたという。
 「ところが費用がかかりすぎると二の足を踏んでいた。そこへ市民発電所の話を聞き、これなら実現可能と判断した。何よりも災害時に地域に貢献できるのが魅力でした。障害者の施設は地域住民と壁が生まれやすい。地域に溶け込む機会になればと考えた」と同会の平山隆理事長(70)。
 パネルオーナーには銀座環境会議が年間三千円の賃料を払い、十年後に二万円で買い取る。買い取ったパネルは施設に譲渡する。

【災害時は施設で携帯充電OK】 パネルの取り付け体験会で電動ドリルの使い方を教わる子どもたち

 ザザビー・ドゥの開所は六月一日。これに先だって十五日、パネル取り付け工事の体験会が開催され、大人に交じって十人の子どもたちが屋上に上り、ドライバーでねじを締めるなどした。六月二十六日にはお披露目&交流会を開催し、施設利用者と地域住民が一緒にボッチャやミニコンサートを楽しむ。電動トライク(三輪車)そらぴか号試乗会などもある。
 「ラオスは貧しいが道に倒れている人があれば誰かが助ける国でした。助け合う社会は人を幸せにする。日本にもそんな社会をよみがえらせたい。そらぴか発電所を通じて人と人のつながりが生まれたらいいなと考えます」と平野さん。
 パネルオーナー、CFへの参加についての詳細は「銀座環境会議」のホームページ内「松戸そらぴかプロジェクト」に掲載されている。いずれも募集は今月三十一日まで。新たなそらぴか発電所の用地を提供してくれる施設も募集している。

再生エネルギーで走る電動トライク「そらぴか号」

文・坂本充孝/写真・内山田正夫、坂本充孝
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