キャンベルさんや青山さんら 現代文学者らが読み解く鷗外 没後100年 文京の記念館

2022年5月27日 07時11分

作家や研究者らの寄稿が書かれた垂れ幕が並ぶ特別展=文京区立森鷗外記念館で

 七月に没後百年を迎える明治、大正期の文豪・森鷗外(一八六二〜一九二二年)の作品を読み解く特別展「読み継がれる鷗外」が文京区立森鷗外記念館(千駄木一)で開かれている。現代の作家や研究者らが鷗外作品に関する思いをつづった寄稿とともに、鷗外自筆の日記などの資料を展示している。(西川正志)
 寄稿者は日本文学研究者ロバート・キャンベルさんや哲学者中島隆博さん、詩人平出隆さんら八人。
 芥川賞作家青山七恵さんは、サバの味噌煮(みそに)によって恋心が成就しなかった小説「雁(がん)」について「私にとって『さばのみそに』は、予期せぬ不運に見舞われた際にふしぎな慰めを得られるまじないの言葉になった」と紹介。現役大学生の芥川賞作家宇佐美りんさんは、中学一年の時に歴史小説「山椒大夫」に出合った経緯をつづっている。
 会場では、寄稿を記した巨大な垂れ幕を天井からつるしているほか、鷗外が書いた千三百点を超える著述を十二メートルの巨大な年表にまとめ掲示するなど、特徴的な展示方法が来場者の目を引いている。
 太宰治や与謝野晶子らが鷗外について語った自筆資料や発表誌も紹介している。永井荷風は「まずは鷗外全集を一通り読んだ方がよい」とし、三島由紀夫は「おそらく近代一の気品の高い芸術家」と評していた。
 特別展に企画協力として携わり、寄稿者の人選を担当した小説家平野啓一郎さんは「現代の文学者に多角的な視点から論じてもらうことで、鷗外の作品を読み返すきっかけになれば。展示も充実していて、宝の山のような内容を堪能してほしい」と話す。
 七月三十一日まで。観覧料六百円(中学生以下無料)。休館日などの詳細は同館ホームページで。

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