落書き、窓割られ、ごみ散乱…東扇島東公園の駐車場に大型バスが1年放置 市が取れる対応は?<かわさきリポート>

2022年5月29日 07時19分

窓ガラスが割られ、車体に落書きされている大型バス(一部画像処理)=いずれも川崎区の東扇島東公園で

 川崎市川崎区の東扇島東公園の駐車場に、落書きされ、窓ガラスが割られた大型バスが1年近く放置されている。来園者からは景観や治安の悪化を懸念する声も上がり、市は撤去に向けて検討を進めている。(北條香子)

◆「川崎が荒れている印象に」

車内には割れた窓から投げ込まれたとみられるごみが散乱していた

 23日昼、同公園を訪れると、問題のバスがすぐ目に入ってきた。車体は落書きで埋め尽くされ、窓ガラスもほとんど割られている。周辺には割れたガラスが飛散し、単行本やビデオテープなどのごみも散乱。車内にもペットボトルなどが投げ込まれていた。
 車体は市が設置したバリケードに囲まれ、「危険!近寄らないでください」「撤去手続き中」などの注意書きが貼られている。
 公園の人工海浜で子どもたちと砂遊びをしていた宮前区の30代主婦は「海はきれいなのに、放置車両があると公園の景観が悪くなってしまう」と眉をひそめた。「川崎市全体が荒れているイメージを持たれかねず、早く撤去してほしい。でも税金で撤去すると、他にも放置する人が出るのでは」との心配も。

◆未払いの駐車料金は58万円に

 公園を管理する市港湾局港営課によると、バスは市内の男性が個人で所有。管理規定では利用できるのは2日間までだが、バスは昨年6月1日から止めっぱなしで、同課の三枝郁夫担当課長は「昨年6月3日以降は無許可でバスが置かれている状態」と話す。

放置されたバスの車体や周辺には川崎市港湾局の注意書きが掲示されている

 大型車の駐車料金は1日最大1600円。今月末までに出庫されない場合、未払いの駐車料金は約58万円の計算になるという。
 同課によると、バスは昨年5月にも期限を越えて駐車。市が出庫を促す張り紙をしたところ、このときは8日間で出庫したという。三枝担当課長は「遠足などで利用するバスからは事前に連絡があるが、このバスは仮ナンバーで連絡なしだった」と振り返る。2回目の駐車時にはナンバープレートも外されていた。

◆所有者は「市の管理責任」と主張

 同課では、所有者が確認された昨年7月末から、手紙や電話、訪問などでバスの移動を要請。男性はいったんは移動の意思も示したが、まもなく「連絡をしてくるな」などと対応を拒否したという。
 昨年7月中旬には落書きも始まり、9月には窓ガラスが割られ、今年4月にはタイヤがパンクしていることが判明。現在は自走不能とみられる。男性は「自走不能になったのは市の管理責任。走れる状態にしてもらえるまで動かさない」と主張しているという。三枝担当課長は「公園の管理は適正に行っている。早期に現在の状況を解消するため、強制撤去も含めて法的な手続きを確認している」としている。
 横浜国立大大学院の板垣勝彦教授(行政法)は、男性の主張について「自走できなくなったのは放置した所有者の責任」と一蹴する。市条例に基づき、市長は撤去命令を出すことができるが、所有者が応じなかった場合は市の費用で撤去することも考えられる。板垣教授は「市が行政代執行で撤去した場合、費用は法に基づいた強い権限で徴収できる」と説明した。

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