コロナ禍の都内で政治資金パーティー再開 自民、都民ファ、小池知事も 透ける選挙重視の思惑

2022年5月29日 19時47分
政治資金パーティーで参加者を見送る小池百合子知事(左)=東京都内で

政治資金パーティーで参加者を見送る小池百合子知事(左)=東京都内で

 参院選が近づき、新型コロナウイルス禍で開催が見送られてきた政治資金パーティーを再開する動きが、広がっている。東京では自民党や地域政党「都民ファーストの会」が5月に入って再開したのに続き、感染対策を率先して呼び掛けてきた小池百合子都知事も開催にかじを切った。選挙を重視する思惑が透ける中、依然、慎重論もある。(加藤健太、土門哲雄)
 「ごぶさたしています」「これ新しい名刺なの」
 小池知事は25日昼、都内のホテルで勉強会と題した会費2万円の政治資金パーティーを2019年11月以来、2年半ぶりに開いた。報道陣に非公開だったが、出席者によると、パーティー終盤に自らが特別顧問を務める都民ファーストの会から、参院選に出馬する女性候補者を壇上に呼んで自身の「後継」と紹介し、選挙ムードを演出。パーティーには都医師会の幹部ら約700人が出席。小池知事は出席者1人ずつに名刺を手渡し、丁寧に帰りを見送った。
 自ら握手の手を差し出したり、体を寄せ合って記念撮影したりする様子からは、小池知事のコロナとの向き合い方に変化が現れたことを印象づけた。
 都民ファーストの会も15日、政治資金パーティーを開いた。コロナ禍以前のような立食形式ではなく、1メートル間隔で並べた椅子に座って講演を聞くのみ。ある都議は「食事なしではパーティー券が買ってもらえない」とぼやいたが、会費2万円で400人が参加した。この日は都が定めていた「リバウンド警戒期間」の最中だったが、都民ファ幹部は「感染対策を徹底しているのでやらない選択肢はなかった」と話した。
 自民党は10日、「躍進のつどい」と称した政治資金パーティーを2年半ぶりに開催。党の岸田文雄総裁も姿を見せる中、参院選に出馬する候補者2人が決意表明した。密集をつくらないようにするため2部制にして延べ2000人近くが参加。党関係者は「本当は立食でやりたいけど批判されるので…」と漏らした。
 今のところほかに動きは見られないが、参院選に出馬予定の日本維新の会の候補者は取材に「再開の動きは良いことだ。感染対策をした上で経済が回っていくのは好ましい」。
 東京都内では29日時点で、直近1週間を平均した1日当たりの新規感染者が2800人を超える。参院選に立候補予定の立憲民主党の候補者はパーティー再開について、「室内で密な状況をつくるのはきつい。その感覚が全く分からない」と指摘。感染対策を呼び掛ける立場の小池知事が開催することには「ちょっとどうかと思う」と批判した。

◆新型コロナ禍の政治資金パーティー 

 新型コロナウイルス禍が拡大した2020年、国会議員らの政治資金パーティーの開催は減少。総務省報告分の同年の政治資金収支報告書によると、政治団体のパーティー収入は前年比28%減の63億8千万円だった。新型コロナ対策の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は今年3月21日までに完全に解除され、それ以降はパーティー開催も目立つ。
 最近は岸田文雄首相も頻繁に党内各派閥などのパーティーに出席。細田博之衆院議長が批判を浴びた「月100万円未満の手取りの議員を多少増やしたって罰は当たらない」との発言があったのも、今月10日の自民党所属議員のパーティーだった。

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