社会問題にダンスで真っ向勝負 近藤良平さん主宰「コンドルズ」 さいたま芸術劇場で新作公演

2022年5月31日 07時45分

公演を前に語り合う(左から)香取さん、勝山さん、黒須さん=同劇場で

 彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)芸術監督の近藤良平さんが主宰するダンスカンパニー「コンドルズ」の十五回目の新作公演「Starting Over」が、六月四、五の両日に同劇場で開催される。主宰者の劇場トップ就任で“ホーム”色が強まったとはいえ、それに安住しないのがコンドルズ。埼玉ゆかりの若手メンバーとプロデューサーの勝山康晴さん(51)は「思いきり挑戦できるのが埼玉」と得意の社会問題にも果敢に切り込む。(前田朋子)
 結成二十六年になるコンドルズは学ランがトレードマークでダンスやコント、音楽も披露する異色のコンテンポラリーダンス集団として知られる。大学教員や書道家、外資系企業社長など「兼業ダンサー」が多いのも特徴。主要メンバーは五十代を迎え体の重いお年頃だが、二〇一四年からは埼玉大学工学部出身の香取直登さん(35)、一八年からはさいたま市出身の黒須育海さん(34)らダンスコンペ受賞歴のある専業の若手実力派も参加。公演ではコントにも挑戦し、新陳代謝が進む。

昨年の公演「Free as a Bird」©HARU(彩の国さいたま芸術劇場提供)

 今回の公演はジョン・レノンの最後のシングル盤から命名、激動する世界で「やり直す、新しく始める」との意味が込められた。勝山さんは、ロシアのウクライナ侵攻などを念頭に「なんか俺たちどこかでミスったんじゃないか、こんな世の中を作って子どもたちに悪いことをしてしまった。もう一回始めることはできないか、という思いに光を当てたい」と話す。
 近藤さんが同劇場の芸術監督に就任し、カンパニーにも注目が集まる中、香取さんは「気合を入れて見る方もいるかもしれないが、ねじを緩めてほっこりしてほしい。コンドルズは変わらないと再認識してもらえれば」。近藤さんの就任前から同劇場で展開していた障害者ダンスチーム「ハンドルズ」の公演に参加した黒須さんは「もともとあった『ホーム感』を(就任で)より実感した」と話し、県内各地の学校でのダンス教室などにも意欲を示す。
 笑いの多い舞台ながら、毎回、社会問題と真っ向勝負するのがコンドルズの真骨頂。勝山さんは「『今ちょっと忘れたい』と社会と無縁のものをやれば、見る側もこちらも後ろめたさを抱える。思ったことが互いにぶつかり合う公演にしたい。思いっきりやりますよ!」と意気込んでいる。
 公演は四日午後二時と午後七時、五日午後三時開演。チケットの購入は、SAFチケットセンター=電0570(064)939。

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