ロシアのウクライナ侵攻から3カ月 首都キーウは平穏を取り戻しつつあるが…依然深刻な燃料不足

2022年6月1日 11時49分

オンライン取材で、スマートフォンに届いた空襲警報の画面を見せるルスランさん

 ロシアによるウクライナ侵攻から3カ月経過後も現地は厳しい状況が続く。首都キーウ(キエフ)に住むIT技術者ルスラン・プルィルィプコさん(41)と、別のIT技術者の男性(41)が先月下旬、本紙のオンライン取材に応じた。平穏を取り戻しつつある一方で、深刻な燃料不足を訴えた。(大野孝志)
 「ガソリンを車に入れられるかどうかは、宝くじと同じ。数時間並んでも、そもそもスタンドにあるかどうかも分からない」とルスランさん。「攻撃を受けているときに比べればましだが、経済への影響は大きい。しばらく続くのでは」

給油を待つ車列=キーウ市内で(ルスランさん提供)

 ガソリンや軽油の価格は、侵攻前の2倍以上。「今後、もっと上がるだろう。農作業や物流が滞り、食料不足になるのでは」と恐れる。燃料不足と通貨安で、物価が上がった。
 戦争は保険の対象外で、携わっていた建設プロジェクトへの融資が止まり、仕事がなくなった。市内では住民の3分の2が避難から戻り、商店が徐々に再開。地下鉄もほぼ通常運行に。侵攻後に続けた食料や薬の配達ボランティアは休止した。ITのノウハウを生かして、軍を支援している。

◆空襲警報は今も毎日4、5回

 取材中、スマートフォンに空襲警報が届いた。警報は今も毎日4、5回出る。「3月ごろみたいに、何かが飛んでくるわけではないので」と避難はしない。数日に1回響く爆発音は、郊外で地雷や不発弾を処理する音。街から検問所はなくなり、破壊されたロシア軍の戦車が郊外から運び込まれ、展示されている。

戦闘で破壊された街=キーウ市内で(ルスランさん提供)

 別の男性は「製油所や貯油施設が戦闘で破壊されたので、燃料が足りない」という。港や駅の閉鎖も続き「輸出入に影響が出ている」と明かした。
 たびたび途切れる通話では、鳥のさえずりが聞こえた。外出禁止令は夜11時〜早朝5時に短縮され「昼間は兵士が街をパトロールしている以外は、どこかで戦争が起きているとは思えないくらい」という。
 ただ、安心を取り戻したわけではない。「東部では兵士や市民が今も亡くなっている。米国や欧州の援助がこの先も続くのか。国の将来が心配だが、自分にはどうすることもできない」

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