上海市、2カ月間のロックダウンを解除 サプライチェーン正常化にはさらに時間

2022年6月1日 21時28分
5月31日夜、中国上海の外灘で写真を撮る住民ら=AP

5月31日夜、中国上海の外灘で写真を撮る住民ら=AP

 【北京=白山泉】中国・上海市は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)を約2カ月ぶりに解除した。停滞していた経済活動が再開するが、中国最大の経済都市の封鎖で寸断されたサプライチェーンの正常化には一定の時間がかかるとみられる。中国政府は「ゼロコロナ」政策を継続する方針で、今後も感染再拡大により経済活動が制限される懸念が残る。
 上海市政府は1日、市民約2500万人のうち感染者が出ていない地区に住む2200万人以上の外出を許可。地下鉄やタクシーの運行、飲食店の一部の営業も再開された。ただ、上海の日本人駐在員は「力ずくで抑え込んだが、また流行するかもしれない」と慎重だ。市も封鎖解除にあたり対策を強化し、駅やビルに入る際に3日以内の陰性証明の提示を義務付けた。
 上海で3月末に始まったロックダウンは長期化し生産や物流が停止。サプライチェーンが寸断され、日本でも家電の品薄が発生するなど世界に影響が及んだ。 上海市政府は1日から市内全工場の操業再開を認め、工場に泊まり込んでいた従業員が自宅から通勤できるようルールを改めた。日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所の船橋憲・副所長は「市内の工場では従業員の9割が出社しており、生産面は急ピッチで回復しそうだ」と話す。だが、物流面では、上海市周辺でのトラック運転手不足や港の混乱などで「全体的な物流がすぐに元に戻るとは考えにくい」と予測する。
 4月には2万7000人を超えた上海市の新規感染者は十数人に減少した。ただ、中国全土ではワクチン接種を3回目まで完了していない60歳以上が1億人に上り、より予防効果の高い外国製ワクチンの輸入も認めていない。感染が再拡大すれば、今後も経済的影響の大きい都市封鎖を含むゼロコロナ政策を続けざるを得ない状況だ。

関連キーワード


おすすめ情報

新型コロナの新着

記事一覧