タマネギ たまげる高値に消費者ため息…家庭での対抗策は? 大生産地・北海道の干ばつやコロナの影響

2022年6月2日 06時00分
 カレーやハンバーグといった家庭料理に欠かせないタマネギの価格高騰が続いている。昨夏の干ばつで北海道産が不作だったことが要因だ。中国のロックダウン(都市封鎖)の影響で海外産も上昇している。食品などの値上げが相次ぐ中で、追い打ちとなる高騰に消費者からは悲鳴が上がっている。(並木智子)

都内のスーパーに並ぶタマネギ=東京都練馬区のアキダイ関町本店で(佐藤哲紀撮影)

◆「備蓄野菜の王様なのに」

 「代用できるものがないから高くても買ってしまう」。東京都練馬区のスーパー「アキダイ関町本店」を訪れた主婦(82)はため息をつきながらタマネギに手を伸ばした。
 この日のタマネギの価格は3個入りで298円。アキダイによると例年は4個入り158円で販売していたが「少しでも買いやすいように」と減らした。秋葉弘道社長(53)は「こんな高値は初めて。タマネギはいざというときの食卓の味方で、『備蓄野菜の王様』なのに、強敵になった感じだ」と話す。

◆「すぐに下がるのは難しい」

 農林水産省によると、高騰は年間のシェアの大半を占める北海道産が、昨年夏に雨が降らず不作になったことが影響し、昨年9月ごろから価格の高い状態に。例年なら3月ごろから佐賀や兵庫県産に順次入れ替わるが、今年は佐賀産も3月の寒さで生育が遅れ、高騰に拍車がかかった。
 東京・豊洲市場などでのタマネギの卸売価格は5月30日時点で1キロ261円。今年の最高価格だった4月30日の387円よりは落ち着いたものの平年値86円(過去5年の旬別卸売価格の平均値)の3倍と高値で推移する。東京全体で見ても、4月は274円と昨年4月の3.4倍だった。農水省の担当者はこの先についても「これだけ高騰し不足感が漂っていると、すぐに価格が下がるのは難しいだろう」と予想する。
 業務用でよく使われる輸入タマネギも高騰している。中国のロックダウンで、加工現場の稼働が滞ったためだ。皮むき加工された中国産などを輸入する大田区の食品卸売商社の担当者は「ロックダウン前より2割高い」と話す。中国の経済活動が本格化するには時間がかかりそうで、価格の戻りは鈍いとみられる。

◆長ネギで代用「置き換えを楽しんで」

 タマネギの高騰に対して、家庭ではどのように対応すればいいのか。新宿調理師専門学校の上神田梅雄校長は「何か食材が欠けたから作れないという家庭料理はない」と話す。
 「例えばタマネギがなければ長ネギである程度代用できる。長ネギでは辛味が強いなら、ケチャップやマヨネーズ、バターなどを追加することで工夫もできる」と説明。ハンバーグの場合、「長ネギだけでなく、キャベツなどの野菜を入れることで柔らかさを出せる」という。
 タマネギが高いと感じるのであれば「レシピ通りに頑張るより、もっと柔軟に旬や手頃な価格の出回っている食材への置き換えを試して楽しんでほしい」とアドバイスする。

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