「原発再稼働は不要」と原自連が提言 エネルギー価格高騰でも「今こそ冷静に」 顧問の小泉元首相も訴え

2022年6月2日 06時00分
脱原発について話す原自連顧問の小泉純一郎元首相=東京都内で(佐藤哲紀撮影)

脱原発について話す原自連顧問の小泉純一郎元首相=東京都内で(佐藤哲紀撮影)

 小泉純一郎元首相が顧問を務める民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)」は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰への対策として、原発再稼働を求める自民党内の議論に対し「再稼働は不要」と反論する提言をまとめた。小泉氏は本紙の取材に「原発は自国に向けた核兵器と同じだ」と強調し、脱原発と自然エネルギーの活用拡大を急ぐ必要性を訴えた。(我那覇圭)
 エネルギー価格を巡っては、各国が経済制裁の一環として、石油、天然ガス資源が豊富なロシアからの輸入を減らした結果、高騰につながっている。自民党の原発推進派議員でつくる電力安定供給推進議員連盟(会長・細田博之衆院議長)は3月中旬、国内で停止中の原発を速やかに再稼働させるよう政府に要請。日本維新の会もエネルギー価格の高騰を抑えるためなら、再稼働を容認する考えだ。
 原自連の提言では再稼働に対し「今こそ冷静に対処しなければならない」と指摘。ロシア軍が3月初旬、ウクライナ南部の原発を攻撃したことを挙げ、「他国が日本に侵攻し、54基ある原発を攻撃すれば甚大な放射能被害が生じ、核兵器による攻撃を受けなくても亡国の危機に陥る」とした。
 価格高騰への当面の対策としては、高効率の火力発電を活用し、太陽光や風力、水力、地熱、潮力など自然エネルギーによる発電の拡充で補っていくよう提言。住宅の断熱化や省エネ化も進めるよう求めた。
 原自連は2017年、各地で活動する脱原発や自然エネルギー推進団体の連携を目指す全国組織として発足。会長は吉原毅・城南信用金庫名誉顧問で、細川護熙元首相らも名を連ねている。

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の提言要旨
 ▽ウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰で、「原発再稼働は必要」という主張がみられるが、冷静に対処しなければならない
 ▽原発は日本に向けた核兵器と同じ。攻撃されれば、日本の消滅につながる
 ▽太陽光や風力などの自然エネルギーは自給自足ができ、安定的で低価格。戦時にも強い
 ▽当面は、最先端の火力発電に加えて日本が誇る多様な発電技術を活用すべきだ
 ▽自然エネルギーを全力で拡大発展させれば、日本の100%以上の電力需要が賄える
 ▽(原発ゼロにつながる)エネルギー革命のための大規模投資を行えば、経済も大きく発展する

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