参院選 与野党一騎打ちは12選挙区どまり 「共闘」後退、野党厳しい戦いに

2022年6月3日 06時00分
 6月22日公示、7月10日投開票が見込まれる参院選で、勝敗の鍵を握る32の改選1人区の構図が固まった。与野党の事実上の一騎打ちとなるのは12選挙区にとどまる見通しだ。野党側は、過去2回の参院選で進めた候補者一本化による「共闘」が大幅に後退。自民党は全1人区で候補者擁立作業を終えており、野党各党は巨大与党との厳しい戦いを強いられる。(井上峻輔)

◆過去2回は成功したのに…

 「12の選挙区で公認候補を擁立しない」
 共産党の小池晃書記局長は2日、1人区を巡って立憲民主党と進めてきた両党間の一本化の結果を発表し、調整の終結を宣言した。11選挙区は、もともと共産が候補を立てていなかったため、新たに取り下げる方針を示したのは鹿児島選挙区だけ。調整がほとんど進まなかったことが鮮明になった。
 過去2回の参院選で野党は、ほぼ全ての1人区で一本化に成功。与党に対して2016年は11勝、19年は10勝と健闘した。13年は候補者の競合で2勝と完敗しており、今回も暗雲が垂れ込める。

◆立民の衆院選敗北「共産接近が一因」

 背景には、立民が共産と一定の距離を置こうとしたことがある。
 昨年の衆院選では、両党が政権を獲得すれば共産が「限定的な閣外からの協力」をする合意をした上で、小選挙区の一本化を推進。だが、立民は枝野幸男前代表の辞任につながる敗北を喫し「共産との接近が一因だ」との見方が党内に拡大した。衆院選後に就任した泉健太代表は「合意は白紙」と関係見直しに言及し、継続にこだわる共産側と折り合わなかった。
 今回は、過去の国政選挙のように市民グループ「市民連合」を介した政策合意も結ばず、立民は共産との「共闘」イメージをかき消す方向に走り続けた。結果的に両党の調整は「勝利する可能性の高い選挙区」(小池氏)に限定された。

◆さらに距離広げた国民民主

 ただ、仮に両党が全1人区で一本化しても、自民と「1対1」の構図をつくるのは困難だった。
 一つの要因は、野党協力の枠組みに一段と距離を置いた国民民主党の存在。比例票の底上げを狙い、7つの1人区に独自の公認・推薦候補を擁立する。
 最近は政府の22年度当初予算と補正予算に賛成するなど与党寄りの姿勢も見せており、対決姿勢を強める共産は国民現職がいる山形、大分両選挙区に対立候補を擁立。立民も香川など4選挙区で国民と競合し、これまでの協調態勢は弱まった。
 立民、共産と一線を画す日本維新の会の思惑もある。前回は本拠地の大阪を中心に注力し、1人区に1人も擁立しなかったが、今回は次の衆院選で立民を上回る野党第一党を目指す足がかりとして「野党最多の比例票獲得」を掲げ、既に8つの1人区で公認・推薦候補を決めた。
 過去2回の参院選では、14の1人区で野党系が1回は勝利しているが、このうち6選挙区で野党系が競合する。与党を利する状況に、立民のベテラン議員は「野党は一本化して初めて与党と戦える。もったいない」と嘆いた。

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