<ぎろんの森>首都圏を災害に強い街に

2022年6月4日 07時39分
 東京都が先週、首都直下地震などの被害想定を十年ぶりに見直す報告書を公表しました。都心南部を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が起きた場合、死者約六千百人、負傷者約九万三千四百人に達するとの内容です。
 本紙は三十一日社説で「首都直下地震 想像を巡らせ備えたい」で「想定で揺れが小さいからといって安心するのではなく、どこでも強い揺れに襲われる可能性があると考えておくことが必要だ」と訴えました。
 この日、もう一つの社説は「防災の国民会議 『わがタイムライン』を」です。災害に備えて各自の役割を時系列でまとめた「タイムライン」の普及を目指す自治体が「全国ネットワーク国民会議」を立ち上げたことを紹介し、自分の防災タイムラインを作ろうと呼び掛けました。
 「週のはじめに考える」を掲載する日曜日を除き、毎日二本ある社説は基本的に別のテーマを取り上げています。できるだけ多くの事象を論説室で議論し、読者に私たちの考えを伝えたいからです。
 この日は二本とも防災に関する内容でした。異例ですがまとめて取り上げることで、防災への関心を高める糸口になれば、との思いからです。
 読者から「『防災の国民会議』はとてもよいと思う。自治体の詳細も紹介してほしかった」との声が届きました。
 タイムラインという考え方は広まっていると言えませんが、各自治体ではすでに取り組みが始まっています。
 例えば、東京都の防災ホームページには「東京マイ・タイムライン」という防災タイムラインに特化したページがあり、風水害に備えて各自が避難準備や避難場所、時期などを記入するタイムラインの作り方を紹介しています。
 地球温暖化の影響で都市部でも気象災害が激甚化しています。地震への備えだけでなく、あらゆる自然災害に見舞われることを想像し、備える必要があります。
 私たちの社説が、読者の皆さんが防災を考えるきっかけになり、東京をはじめとする首都圏で災害に強い街づくりが進めば幸いです。
 本欄「ぎろんの森」は昨年六月に始まりました。一年間続けてこられたのも、読者の皆さんのおかげです。あらためて感謝の気持ちを伝えたいと思います。 (と)

関連キーワード


おすすめ情報