<フロンティア発>生活習慣改善 80歳でも寿命延びる

2022年6月5日 07時03分
 食事や運動などのライフスタイル(生活習慣)を改善したら、どのくらい寿命が延びるのか。大阪大などの研究チームが全国の40〜79歳の男女約4万6000人の生活と寿命を最長21年間追跡しました。結果を分析すると、三つ以上の生活習慣を改善する場合、80歳から始めても、寿命が延びるという結果が出ました。
 実際の寿命を知るには、対象者が亡くなるまで追跡する必要があります。今回の研究期間中に約9000人が亡くなりました。残りの対象者の寿命は確率分析という手法で算出して補いました。
 改善した生活習慣の数が多いほど、寿命を延ばす効果が大きいという結果が出ました。例えば、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を三つ以上抱える人の80歳の時の平均余命は、改善した生活習慣の数が3〜5だと2歳、6以上だと4歳弱延びるということです。また、改善した生活習慣の数が同じ場合、生活習慣病の多い人ほど、平均寿命からの増加分が大きいことも分かりました。
 大阪大医学系研究科の坂庭嶺人(りょうと)・特任助教は「80歳の時に寿命が2歳以上延びるのは大きい。例えば孫の七五三をより多く見られるかもしれない」と話します。より多くの生活習慣を、より若い時に改善を始めた方が寿命を延ばす効果が大きく、最大で8歳以上と見込まれます。ただ、もともと生活習慣病のある人ほど平均寿命は短く、生活習慣病が三つ以上の人の平均寿命は、ない人より15歳ほど短いことも示されました。
 研究では改善項目として、以下の八つが達成できているかどうかを調べました。1日1回以上の果物摂取▽1日1回以上の生鮮魚介類の摂取▽週5日以上の乳製品の摂取▽週1時間以上の運動または1日30分以上の歩行▽肥満指数(BMI)21〜25の維持▽日本酒換算で1日2合未満の適量飲酒▽非喫煙および禁煙▽1日6〜7時間の睡眠−です。
 項目別の効果を見ると、男女とも40歳の時には非喫煙が寿命を延ばす効果が非常に大きく、さらに女性に関しては適正飲酒を保つことで禁煙よりも大きい効果が得られることが示されました。
 研究チームは、60歳から健康な生活習慣を七つ以上積み上げることで、平均寿命は男性が89.7歳、女性が92.2歳となり、世界のどの国よりも長くなると予測しています。坂庭さんは「何歳からでも遅くないので、多くの生活習慣病のある人は医療機関で継続的な治療をしたうえで、ライフスタイルを改善することが大切」と呼び掛けます。 (増井のぞみ)

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