「人生狂わせ、取り返しのつかない被害」東電が謝罪も…社長は来ず 敗訴確定受けて原発事故避難者に

2022年6月6日 09時23分
福島原発避難者訴訟の早川篤雄原告団長らに、社長名の謝罪文を手渡し頭を下げる東京電力福島復興本社の高原一嘉代表(右)=5日、福島県双葉町の産業交流センターで

福島原発避難者訴訟の早川篤雄原告団長らに、社長名の謝罪文を手渡し頭を下げる東京電力福島復興本社の高原一嘉代表(右)=5日、福島県双葉町の産業交流センターで

 東京電力は5日、福島第一原発事故で避難を強いられた福島県楢葉町や南相馬市などの原告住民に国の指針を上回る賠償義務を認める判断が最高裁で確定したことを受け、原告団(早川篤雄団長)に小早川智明社長名の謝罪文を手渡し、謝罪した。原告側弁護団によると、訴訟に関連し、東電が謝罪するのは初めてという。
 福島避難者訴訟は、早期の結論を得るため、国を被告とせず東電に絞って住民約210人が提訴。最高裁は3月7日付で東電の上告を退けた。
 この日、東電側は福島復興本社の高原一嘉代表が福島県双葉町の産業交流センターで、小早川社長名の謝罪文を代読した。「かけがえのない生活やふるさとにとても大きな損害を与え、皆さまの人生を狂わせ、心身ともに取り返しのつかない被害を及ぼしました。心から謝罪いたします」
 これに対し、早川原告団長は、社長の不在を含め「期待するところに至らなかった」としつつ「全被害地域住民を代表し闘った。(謝罪は)全ての被害者に向けたものと受け止める」と一定の理解を示した。
 原告側は、損害賠償とは別に、被ばくが原因と疑われる健康被害が出た場合の医療支援制度の創設などを求めている。弁護団によると具体的な協議は始まっていない。(山川剛史)

おすすめ情報

東日本大震災・福島原発事故の新着

記事一覧